燃える蛇
霊感を鍛えるべく精霊を探し始めたギラ達。
とりあえずは一番手軽そうな火の精霊サラマンドラにトライする事に。
場所はアルセイムの砂漠にある廃墟。
そこに火の精霊サラマンドラはいるらしい。
「ここですか」
「まさに遺跡だね、こんな場所があったのか」
「とりあえず中へ入ってみましょう」
「探索開始ですっ」
そうしてその廃墟もとい遺跡に足を踏み入れる。
その中は精霊の力なのか外以上に熱を感じる。
「暑いですね」
「その割に涼しそうな顔をしているな」
「ギラさん本当に暑いんですかね」
「涼しげな顔をしてくれてますわ」
とりあえず遺跡を進んでいく。
とはいえ内部の熱気は凄く汗もだくだくである。
「暑いですわね、服が汗で張り付きますわ」
「私もだよ、精霊の力なのかな」
「かもしれませんね」
「なんにしてもさっさと終わらせて帰りたいわ」
暑さを我慢しつつ進んでいく。
外に出る頃には体重が少し落ちていそうである。
ギラはここに入ってから不思議な力を感じていた。
それは精霊なのか、魔法的な大きな力である。
「ふむ」
「精霊っていうのはどこにいるんだろう」
「分かりませんわよ、それより暑くて死にそうですわ」
「暑いのです…溶ける…」
エレネは液体金属という事もあり熱には弱い。
さっさと終わらせないと大変な事になりそうだ。
遺跡を進んでいくと意味深な扉の前に到着する。
「明らかに意味深ですね」
「なら入ってみるまで、だろう?」
「ですね、いざゆかん」
「本当に精霊は出るんでしょうか」
扉の中へ進むとそこは凄まじい熱を放つ部屋だった。
そして謎の声が響く。
「人間がここまで来るか、我が熱に耐えうる、少しは見所もある」
「誰ですか!」
「この熱を出してるのもあんたか!」
「面倒なんで姿見せてもらえます?それとも見えてないだけですかね」
そして次の瞬間それは姿を現す。
燃える蛇、火の精霊サラマンドラである。
「やれやれ、それはそうと用件は何だ?我の力を欲するか?」
「ふむ、これぐらいなら見えるようですね」
「メーヌにも見えてます」
「僕にも…」
サラマンドラは短気なようで用件を告げるように急かす。
「私達は霊感を鍛えるのに精霊が見えるかどうか確認しにきただけですよ」
「本当にそれだけか?我が力を欲しないとは」
「別に精霊の力がなくても戦えてるもんね」
「あれば楽なんだろうけどそこまで力に対する欲はないしね」
サラマンドラはもはや呆れ顔だ。
そんな中リックに視線を向ける。
「そこの小僧、貴様に我の力を貸してやる、ここまで言われては腹が立つのでな」
「は?僕ですか?」
「なんか向こうから力を貸すって言い出しましたね」
「ギラが力なんていらないとか言うからじゃないの」
サラマンドラもご立腹なのか、自分から力を貸す事を申し出る始末だった。
「分かりました、僕でいいなら」
「うむ、我が業火の力、存分に振るうがいい」
そうしてリックはサラマンドラを従えてしまった。
とりあえず視認する事は出来た。
遺跡をあとにしたギラ達は他の精霊を当たってみる事に。
次の目的地は雷の精霊フードゥルを求め無人となった発電所へと向かう。