人数と腐敗
大地の骨の事を調べるギラ達。
とりあえず骨に殺された人間の共通点を探る事にした。
そのデータがありそうなバドカの大図書館へ。
そこで大地の骨に暗殺された人間の情報を求める。
「さて、歴史書ですかね」
「それも近代史な、あるかは私にも分からんが」
「なんにしても探してみますか」
「ですね、歴史書の棚を徹底的に探しましょう」
そうして本棚を調べ始める。
近代史の歴史書は多数あるもののそれらしきものは見当たらない。
「おや?これですかね」
「ありました?」
「とりあえず持ってきてもらえる」
「一応目を通したいからね」
そうしてギラが見つけたその本を確認する。
その本のタイトルはここ二十年での死亡した人間の名簿だ。
死因ごとに丁寧にそれが書かれていた。
「確か国の要人でしたね、それで暗殺…」
「十年前だね、そこに50人の名前があればそれだろう」
「それ以降もちょくちょく暗殺してるっぽいですね」
「つまり暗殺を始めた年に50人、それ以降もか」
その暗殺された人間の共通点を探す。
すると浮かび上がる共通点、それは汚職や売国奴という汚れた政治家達。
だがソウはそれが引っかかっていた。
片方の国で25人、そんなに汚職や売国奴がいたら国は大変な事になる。
それ以降の年表からも数はもう少し多いと考える。
そもそもそれを殺したところで国がクリーンになるとも思えないからだ。
「そんなにいてよく国が傾きませんね」
「とはいえこの人数だからだよ、もしこの倍だとしたら戦争になってる」
「だとしたらこの人達が悪い政治家だとしても殺した意味はないのかな」
「そもそも悪徳政治家を殺して国が簡単に変わるはずがないのだがな」
恋夜の言う事も尤もである。
殺して解決するなら世の中はもっと荒廃しているだろう。
それこそ政治家への憎悪が世界を支配していても不思議ではないという。
「恋夜さんの言う事も分かりますわね、それで解決なんてしませんもの」
「それじゃあ大地の骨は国にマークされただけって事かな」
「でもそれなら顔が割れてそうだしオシドリの羽なんて出来るの?」
「もっと別の理由でもあるんですかね?国に内通者でもいたとか」
つまり見逃されていた理由があるのではないか。
ギラやソウはその線で大地の骨の秘密を疑う。
仮に国が腐敗していたのなら見逃してもらう事も出来ても不思議ではない。
国の偉い人と大地の骨が裏で繋がっていて何かしらの条件で見逃されていた。
詳しくは分からなかったがメインの活動場所のアルセイムに何かがある。
ならばとアルセイムの歴史を知る人物を探しにいく事にした。
「アルセイムの引退した政治家とか探しにいきますか」
「それなら何か分かりそうですし」
「無茶を言いますわね、でも嫌いじゃありませんわよ」
「なら決まりですねっ、アルセイムの引退した政治家を探しますよっ」
そうして本を戻しアルセイムに飛ぶ。
引退した政治家が必ずいる、そう信じてその人間を探すのだ。
10年前の大量暗殺の事も聞き出す。
大地の骨の謎を確実に紐解くまで調べ尽くすのである。