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統治の言霊

刑務所に言葉で囚人を従える監察官がいると聞いたギラ達。

その監察官に会って何か掴めないかと考える。

漁師に憑いていた天人、その監察官もそうなのだろうか。

ギラ達はそれを確かめるべくリバージ刑務所へと向かう。


「すみません、監察官に面会したいのですが」

「監察官に?君達は何者なんだ?」

「えっと、届け物を頼まれてるんです」

「駄目…ですか?」


上手く誤魔化すものの怪しげに見られる。

それでも時限でという条件で中へ入れてもらえた。


「さて、監察官室に向かいますよ」

「届け物は街で買った果物を適当に詰め合わせで」

「なんか悪人みたいでワクワクするね」

「お気楽ですわね」


そうして監察官の部屋へ向かう。


「ここですか、失礼します」


中へと入る。

そこには一人の監察官がお茶を飲んでいた。


「えっと、あなたが…言霊で囚人を従えるという監察官…ですか?」

「それをどこで聞いたのかな?」

「リバージで噂になってます」


それに監察官は少し笑ってみせる。


「そうか、僕も有名になったね」

「えっと、それじゃあ…」


どうやら本当の話だそうだ。

だがなぜ監察官なのか、看守ではなく監察官の理由が分からない。


「多分看守にそんな能力があったら支配的になってしまうだろう?」

「なんとなく納得だ、あとこれはやるよ」


そう言って果物の適当な詰め合わせを渡す。


「これは?賄賂かな?」

「ここに入る際に届け物って言ってあるので、それで許してもらえます」


監察官はまたしても笑ってみせる。


「そうか、それは随分と悪知恵だね、でもこれでそういう事にしておくよ」

「ええ、それで言霊で従えるというのは本当なんですか?」


その質問に監察官はハルミを指名する。


「私?ここに立っていればいいの?」

「うん、では見せてあげよう、スカートをたくし上げたまえ」


その言葉にハルミがスカートをたくし上げる。

ハルミが抵抗するような素振りを見せているため、本当に言葉で従えているようだ。


「下ろしていいよ」

「恥ずかしい真似させないでよ!」

「こりゃ驚いた、本当に言葉で操れるのか」

「あとハルミさんはドラゴンパンツでしたっ」


というわけで本当にそれに従えられたハルミ。

証明された事もあり、ギラ達は天人の存在を疑う。

口には出さないものの恋夜がその言葉に魔法的な力を感知していた。


「そろそろ時間ですね、時間を取らせてすみません」

「なに、気にする事はない、では元気でね」


そうして部屋を出た直後にそれは起こる。


「魔法的な力…これは…真言!?」

「やっぱりあの監察官に天人が憑いてる、間違いないね」

「とはいえ姿が見えない以上お手上げですよ」

「今は放置して出るしかないわ、行くわよ」


そうして刑務所を出る。

そしてあの監察官に天人が憑いていると確信した。


とはいえ漁師のときと同様に姿が見えないためお手上げである。

一旦どこかに移動し天人に関係しそうな情報を集める。


行き先はオルバインに決まった。

オルバインでも天人に関係しそうな何かを探す事に。


人に憑き何かしらの現象を起こす天人の調査は続くのである。

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