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姿なき怪奇

大地の骨についての調べ物を継続するギラ達。

ミリストスの研究機関で少し興味深い話を聞いた。

それは港街のある漁師の話。

その漁師の事が気になりリバージへと来ていた。


「相変わらず磯の香りがしますね」

「それより噂の漁師だよね」

「そうですね、いるかは分かりませんけど」

「だが聞いた話についての信憑性だな、行くぞ」


そうして港へ向かう。

そこでその漁師について尋ねる。


「ん?イグネっていう漁師?今は漁に出てるよ、そろそろ戻ると思う」

「なら少し待ちますか」

「仕事の邪魔はしないように」

「それにしても穏やかですね」


それから少し待っていると一隻の船が港に戻ってくる。

噂の漁師のようだ。


「あんた達かい?俺に用ってのは」

「ええ、あなたが漁に出ると決まって海が安定するそうですね」


単刀直入に切り出すギラ。

それにイグネという漁師も答えてくれる。


「ああ、そうなんだ、まるで不思議な力でも働いてるみたいなんだよ」

「この人にも天人が憑いているんでしょうか…」

「姿が見えない以上は…」

「では漁獲量はどうなってますか」


イグネの話では以前よりも減った代わりに単価の高い魚が穫れるようになったという。

つまり安い魚の漁獲量が減り高い魚がかかるようになったそうだ。


「うーん、でもこれも海の神様の恩恵かもと思えば悪くはないさ」

「そうですか、時間を取らせてすみませんでした」


そう言ってその場を離れる。

そして離れた直後にそれは起こる。


「ギラ様!」

「魔法的な力!?ふっ!」

「ギラ様の足元から水が吹き上がりましたっ!」

「私のシステムが魔法的な力を感知した、今のは人為的に放たれた魔法だ」


恋夜の感知したもの、それは魔法的な力で間違いないという。

しかし周囲にそれを使った人間は見当たらず気配もしない。

メーヌが音を拾うが人間がそれを放ったという形跡はないという。


「だとしたらやはりあの漁師に…」

「天人が憑いてますっ!」

「それを調べてるギラを危険と判断して攻撃を仕掛けた…」

「やってくれますわね、ですが姿が見えない以上お手上げですわ」


天人が憑いているという確証は確かにあった。

だが姿が見えない以上それを引き剥がす手段はない。

警戒をしつつ港をあとにする。


「まさかビンゴだったとは」

「恐らく敵と認識して攻撃したんだろうね」

「それか調査をするなという警告かしらね」

「それでもやめない、でしょ」


ギラも当然それをやめるつもりなどない。

今後も天人についての調査は続ける事で全会一致する。

一旦街を離れようとしたとき興味深い話に出くわす。


「刑務所の名物監察官、囚人を言葉で従える言霊の男…」

「これ怪しくないですか」

「怪しいですね」

「この監察官にも天人が憑いてる可能性が?」


明らかに怪しい監察官の話。

街の人の話では囚人が脱獄しないのも彼がいるからだという。


ギラ達はこの監察官を怪しいと睨む。

何かしらの魔法的な力なのだろうと思うのはギラだけではない。

ついでに近くという事で刑務所に彼に会いにいってみる事に。


天人の警告など無視してやるのである。

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