骨が生まれた地
あれから数日が経過した。
骨のアジトのそばに奪われていたソルバードがあったので回収。
その後は大地の骨のルーツを調べてみる事になった。
ギラ達はその発端となったアルセイムのある廃村に来ていた。
「ここがその大地の骨の発端となった廃村ですか?」
「にしても見事に荒れ果てているな」
「この村に何があったのか、大地の骨のルーツも気になるので」
「ギラ様が敵のルーツを探ろうというのも珍しいですね」
とりあえずその廃村を見て回る。
その村は焼き討ちにでも遭ったのか、所々に黒く焦げた痕がある。
「…この村の自警団が後の大地の骨、ですか」
「でも自警団が暗殺集団に変わったってのも妙な話ではある」
「同意ですわ、暗殺技術はそんな簡単なものではありませんもの」
「あの、あそこ…」
リックの視線の先には墓地があった。
そこは手入れはされているが、草が茂り鬱蒼としている。
「どうやらこの村の住民のお墓みたいですよ」
「つまりこの村がこうなってから誰かが立てたのか」
「そうなるよね、多分村の外の人だと思う」
「自警団の事も気になるし、そっちもよね」
すると人の声がする。
後ろを振り返るとそこには初老のおばさんがいた。
どうやら墓を管理している人のようだ。
「お参りですか?」
「えっと、僕達はこの村の自警団について調べてて」
その話におばさんは少し複雑そうな顔をする。
「自警団ですか、あれは何者かに陥れられたんでしょうね」
「陥れられた?知っている範囲で話してくれないか」
おばさんは当時の事も知っているようだ。
話では村に税金の滞納の疑惑が立てられたという。
だがそんな事実はなくきちんと収めた記録も残っている。
ではなぜか。
国のとある貴族が土地を売って欲しいと頼んでいたという。
それを拒否し続けていたのが当時の自警団だそうだ。
その結果貴族は強硬策に出て村を焼き討ちし土地を奪ったという。
その貴族はその後何者かに殺されたらしい。
そうした結果焼き討ちにされた村だけが残ったそうだ。
自警団は当然暗殺を疑われ国に呼び出された。
だがその事実はなく無罪だと認められたという。
それから自警団はどこかへと消えた。
そして少ししてから暗殺集団である大地の骨がその産声を上げたという。
それと同時に新興の商人ギルドであるオシドリの羽も出てきたという。
「そんな事が…」
「あの人達は明らかにおかしくなった、何者かが裏にいるかのように」
それについてギラが一つ質問をする。
「そういえば、この村の近くでは妙に風が強い記憶があるね」
「風ですか?それは自然現象ですか?」
だがおばさんはその風がおかしいと言う。
「自然現象にしては変なんだよ、まるで村を守ってたみたいでさ」
「つまり何かしらの人為的な力?それなら説明もつきます」
おばさんの話では自警団が去ってからその風も止んだのだという。
ギラはその話から何者かの存在を嗅ぎつける。
おばさんにお礼を言いその廃村をあとにする。
謎の風、突然の変貌、大地の骨の裏にある何かを追いかける事に決めた。
大地の骨を生み出した謎の存在、それは人にあらざる何かなのだろうか。