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煽り立てる者

大地の骨の壊滅から一夜明けた。

ギラは仲間たちの下に戻り一応事の顛末は伝えた。

そしてその場で出会った謎のローブの男に呼び出された事も伝えた。

そのままギラはその男に会いにいく事となった。


「さて、一人で来いと言われたので来てやりましたよ」

「本当に来たんですね、罠かもしれないのに」


ギラはこの場に罠がない事は気づいている。

そして男に用件を尋ねる。


「そうですね、あなたに復讐したいと懇願したのは向こうでしたよ」

「それで煽り立てたと?」


ローブの男はあくまでも力を与えたに過ぎないという。

だが異世界に飛ばすような力を与えられる時点で只者ではない。


「我々は元々研究者なのですよ、その副産物を与えただけに過ぎません」

「我々、という事は後ろ盾はあなた達であの魔物も研究の副産物だと?」


どうやらこのローブの男はその組織の構成員の一人に過ぎないようだ。


「我々は望まれればそれを与えますが、基本的には静かに研究したいだけです」

「それで望まれたからそれを与えた、結果は分かっててですか」


その組織は非合法な研究もするが、別に危害を加えるつもりはないのだという。

ローブの男も基本的に争いたくはなく、それも好まないという。


「ではこちらからも訊きます、大地の骨は昔からああだったんですか?」

「昔は小規模な自警団でしたよ、それがいつしか暗殺集団に変わったとか」


自警団がある日突然暗殺集団に変わった。

それは裏で何者かが糸を引いているのか。

だが謎も多い。

大地の骨の過去に何があったのか、それは気になっていた。


「あなた、今気になりましたね」

「まあ気にはなりますよね、妙な感覚は覚えます」


大地の骨が生まれた理由。

それはそもそもの話がおかしいのだ。

自警団に過ぎなかった連中が突然暗殺を始める。

素人に暗殺など出来るはずがないのはギラには当たり前のように分かる。


「とはいえ噂は諸説ありますよ、何者かに操られていたとか洗脳されたとか」

「三日で覚えられる技能でもないですしね、黒幕はいると私も思います」


ローブの男は今回の一件はあくまでも頼まれたからとだけ言っている。

つまり残党達がギラに復讐するためにすがったのだろう。

とはいえその背景はやはり何かが引っかかる。

少しそれについても調べてみるかと考えておく事にした。


「さて、今回の一件についてはきちんと話しましたよ、それだけです」

「ええ、あなた達を殺しても現実は変わりませんしね」


ローブの男は言う、世の中には科学では解明出来ない事象もあるのだと。


「ああ、そうそう、これは我々の研究所の場所です、興味があれば来ていいですよ」

「教えていいんですか?一応もらっておきますけど」


なんのつもりかギラに研究所の場所を教える。

今回の事からも罠ではないとギラは理解した。


「では私は失礼します、大地の骨の事については好きにすればいい、それでは」

「悪い人ではないですが非合法組織ですか、やれやれですね」


そうして話は終わりお互いに仲間の下へと帰る。

ギラはその事を相談しそれを調べる事にした。


大地の骨が生まれた理由、その背景とは。

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