宝物殿の悪魔
以前の神殿の手がかりを確証に変えるべく王に会う事にしたギラ達。
とりあえずはミストラルの国王に謁見を済ませた。
ミストラルは以前の恩もあったからか、スムーズに進む。
そのまま港町へ移動しミーア大陸へ移動、ミーア国王に謁見する事に。
「ふむ、国王に謁見ですか、それなら一つ仕事も頼まれていただけませんか?」
「交換条件ですか?」
「面倒だね、何をすればいいのさ」
「変な仕事ではありませんわよね」
大臣の話では城の宝物殿に魔物が住み着いてしまったという。
それの親玉の討伐が謁見の交換条件らしい。
「分かりました、謁見出来るならそれを引き受けます」
「感謝いたします、ではご案内いたします」
「街の中の、それも城に魔物が住み着くんですね」
「この世界ではそういう事例もあるのだな」
そうして宝物殿に案内される。
「こちらです、必要とあらば中の装備品はお使いいただいて構いません」
「ただし終わったら返却しろ、ですよね」
「まあ使えるものは使わせてもらうさ」
「では行くとしましょ」
そうしてギラ達は宝物殿の中へと足を踏み入れる。
「本当に魔物が出ますっ」
「魔物の中では強い部類だが、アタシ達からしたら雑魚かね」
「ですね、サクサクやっちゃいましょう」
「負けませんわよ、おほほほほ」
そうして魔物を蹴散らしつつ奥へと進む。
中にある装備品はどれも優れた品だが、使わずとも足りそうだ。
とはいえその装備品の豪華な装飾は国の資金力を感じさせた。
そのまま奥へと進むギラ達。
最深部の手前辺りに親玉と思われる悪魔の魔物を見つける。
「あらあら、国の人にあたしの討伐を頼まれちゃったのね」
「恨みはないですけどね、まあ大人しく倒されてください」
その悪魔の魔物はここが気に入っているようだった。
外に出るつもりはないようで、居心地がいいのだろう。
とはいえ国の宝物殿である以上放置は出来ない。
ギラ達は魔物との戦いに臨む。
「面倒ねぇ」
「それはお互い様ですよね」
「メーヌさんが意気投合してます」
「苦労してるって事なのかしら、まあ気が抜けるけどやるわよ」
そうしてその悪魔の魔物を倒したギラ達。
そのあとは結果を報告して国王に謁見が許可された。
国王の話ではやはりこの世界には未知の文明の噂はあるという。
ミストラルの国王、シルヴァンコートの国王も同じ事を言っていた。
つまりあの洞窟で見た言葉の通りなのだろう。
ギラ達は国王に感謝の意を述べ城をあとにする。
そして改めてあの神殿に行く事を決意する。
マーデルはついてくるつもりらしいが、とりあえずそれを承諾する。
以前のあの神殿に再び向かう事を決めたギラ達。
港から船でミストラルへ移動する。
とりあえず時間的に日が落ちるので、闘技場のあった街に移動し宿を取る。
あの神殿の奥に行けば元の世界に帰れるのか。
確証は持てないが、それに懸けるしかないのだろう。
マーデルをどうするかはそれから考える。
以前対峙していた紅の盾と呼ばれる騎士らしき男。
あいつの事も気になりつつ夜は更けていく。
そしてその朝、改めて神殿へと向かう事になり街を出る。
元の世界には帰れるのか、この世界での冒険はもう少しだけ続くのである。