似て非なる世界
山で魔物を倒したと思われるギラ達。
倒した魔物から次元の歪みが発生しそれに飲まれてしまった。
飛ばされた先はどんな世界なのか。
元の世界に帰るための冒険が始まるのである。
「ここは…私が倒した魔物から次元の歪みが発生して…それより近くに…」
「ギラさん、ここどこですか?」
「私達あの魔物から発生した変な穴に吸い込まれて…」
近くにいるのはリックとハルミだけのようだ。
とはいえギラは他の仲間が生きている事は感じ取れる。
それでもその感じるものは凄く遠くにあるのは確かなようだ。
「ふむ、他の人は死んではいません、ですが結構な距離で散ってしまったようです」
「そんな…ここがどこかも分からないのに」
「それでどうするの?探しにいく?」
ギラとしてもさっさと元の世界に帰りたい。
待っててもどうせ始まらないので、二人を連れ行動を開始する。
「近くに村があって助かりましたね」
「それにしても…着てる服がそっくりだ」
「ここはなんなの?」
ギラはこの世界が似て非なる世界だと感じていた。
見た感じは元の世界と差はない。
だが明らかにおかしさは感じる。
それはこの世界が元の世界に似ているという事でもある。
村でこの世界のことについて尋ねてみる。
するとどうやら元の世界に似ているようである。
違いと言えばこの世界には魔人が存在するという事だ。
「魔人崇拝があるみたいですね」
「うーん、でもそれって宗教的な問題なんじゃ…」
「それより他のみんなはどこにいるのかな」
ギラが感じる限り結構な遠くである。
今はこの三人でそれを探すしかなさそうだ。
「あと大陸に分かれているっぽいですよ、ここは南の大陸です」
「つまり別の大陸に行く事も考えろと」
「なら行ってやろうじゃん、こんなところで死にたくないしね」
そうして話は決まる。
とりあえずはここから北にある街に行ってみる事にした。
街を出たギラ達は北へと進む。
魔物も出るようだがギラ達からしたら大した相手ではない。
「やっぱり似てますよね」
「ええ、意外とそっくりなもので」
「というか瓜二つのような…」
ギラとしても似ている世界があるのは当然だと知っている。
ギラ自身別の世界から来たのだから。
そのまま北の街へと到着する。
とりあえず情報を集める事にする。
そうして街を歩いていると運び屋だという青年に出会う。
「あの、どうしました」
「あんた達は?」
「北の港町に行きたいんですけどね、そっちこそ何かありました?」
「質問に質問で返すのは感心しないよ」
それはさておきその運び屋の青年も北の港町へ行くらしい。
だがその道中の山に強い魔物が住みいているらしく、一人では困難らしい。
そこはギラ、ならばとばかりに利用する事に。
「なら私達が倒してあげますから、私達の通行証出してもらえます?」
「は?倒してくれるならありがたいけど…」
「ギラらしいね」
「利用するものは利用しておけと」
青年はそれも疑っている。
とはいえ他に選択肢もないようで、それで合意してくれる。
そのまま通行証を発行してもらい、ギラ達もそれをゲッツする。
「とりあえず出してやったから約束は守れよな」
「分かっていますよ、お任せを」
「それじゃ準備したら向かうとしようか」
「ですね、僕達も行かないといけませんから」
そうして街で準備を整える。
薬なども買い揃え対策はきちんとしておく。
「それにしてもこの世界はどこも似ていますね」
「うん、ここってドラジールみたい」
「違いといえば冒険者ギルドがない事ぐらいですか」
確かに冒険者ギルドは見当たらない。
そういう世界なのだとギラは思っておく事にした。
そうして準備も終わり青年と合流する。
そして北の山に向けて歩き始めるギラ達。
港町への険しい山越えが始まる。
ドラジールに似ていた街、他にも似ている街はありそうである。