悪魔の正体
カーミンスの北の山にやって来たギラ達。
噂になっている強敵を倒せれば少しはスカッとするかもしれない。
とりあえず山を登りその魔物を探す。
だが山で待っているのはそれではなかった。
「ふむ、さっさと終わらせたいものです」
「とはいえ何で突然そんなのが…」
「さあねぇ、アタシに訊くな」
「まあ良いさ、それより行くとするよ」
そうして山を登るギラ達。
中腹辺りに差しかかったとき、異質な気配を感じ取る。
「来ますよ」
「ああ、来る」
「上です!!」
「回避なさい!」
突然の襲撃がギラ達を襲う。
そしてその悪魔が姿を現す。
「こいつですか」
「はわわっ、強そうですっ」
「だが妙だ、こいつ魔物特有のものを感じない」
「それより来るよ!」
魔物は有無を言わさず襲い掛かってくる。
ギラ達もそれに応戦する。
だがその魔物は明らかに強くなかなかに攻撃が通らない。
「こいつ…強いぞ!」
「甘く見てましたね、なら手は抜きませんよ!」
「はいっ!全力でぶっ潰しますっ!」
「反撃いきますわよ!」
だがそれでも強いその魔物。
ギラはその魔物の異質さにとっくに気づいていた。
この魔物はこの次元の魔物ではない。
つまり変異種であると。
それも恐らく別の時間軸か次元から来たのだ。
そんな強敵を倒すには手を抜いてなどいられない、自前の鎌を取り出し構えを取る。
「さて、少し痛いですよ!!」
「ギラ様…」
「あの武器を使わなきゃいけない程度には強いですよっ」
「あれがギラさんの本来の得物ですの?」
魔物と激しい攻撃の応酬をするギラ。
流石にこの武器を使う以上ギラが優勢である。
このまま押し切る、そのつもりで一気に攻め立てる。
だが魔物も手を抜いてはくれない。
ギラもそれに負けずとラッシュを仕掛ける。
「凄いねぇ、ギラがあんなに動くとか」
「普段は気怠げですけど、強いですからね」
「僕達は黙ってみてた方がよさそうですね」
「だね、出る幕なしかな」
そうしてギラの渾身の一撃が魔物を斬り裂く。
そのまま魔物は崩れ落ちるが、様子がおかしい。
ギラはそれに即座に気づく。
そして次の瞬間魔物の体が歪み、その空間が歪む。
「これは…吸い込まれる…!」
「ギラ様!」
「アタシ達も…」
「抗え…ないっ…!」
そのままその場にいた全員がその歪みに飲み込まれていく。
全員を飲み込んだその歪みは魔物ごと消滅した。
歪みに飲まれたギラ達がどこへ飛ばされるのか。
それは異なる時間軸か、平行世界か、パラレルワールドか。
歪みに飲まれたギラ達がどうなってしまうのかは次話以降に続くのである。