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仇討ちの炎

メラとレンの事は心配なさそうだと判断したギラ達。

そのまま冒険者ギルドで何か仕事を探しにカーミンスに来ていた。

そこで面白そうな強敵の話を耳にする。

それは同時に犠牲者も出ているという事を意味していた。


「なんか騒がしいですね」

「なにやら北の山に強い魔物が住み着いて腕試しになっているそうだな」

「物好きだねぇ、命を大切にしないってのも」

「それについて少し聞いてみますか」


そうしてその北の山の話を聞く。

どうやらその山に住み着いた魔物はとても強く、犠牲者も出ているらしい。


「犠牲者ねぇ、まあ自業自得ってとこか」

「その言い分はどうなんですの?」

「ソウはこういう事にはドライな面もあるからな」

「せっかくですし私達で倒しちゃいます?」


ギラもまたとんでもない事を言うものだ。

とはいえ負けるような相手ではないというのも確かである。

冒険者になって最初の大物がレッドドラゴンだったのは今や有名だ。


「さて…ん?」

「あれって…」

「なんか息子の仇討ちをしてくれって懇願してるね」

「自業自得じゃないか、自分から挑んで命を落としたのに、仇討ちとか」


ソウも意外と冷たいものである。

とはいえあの母親の言う事も少し的外れではある。

誰かに殺されてもいないのに仇討ちというのも少し違うのであるからして。


「仕方ないですね、あの人には言わずに倒しにいっちゃいますか」

「仇討ちってわけじゃないんですか」

「単に戦いたいだけって事でしょ」

「人が悪いというか、素直じゃないというか」


なんにしてもその魔物を倒しにいくのには決まった。

そんなときまた新たな犠牲者が出たらしい。

それを少し見に行ってみる。


「あれってシルバーランクの冒険者っぽいですね」

「シルバーランクで負けるのか、となるとゴールドでも微妙なとこなのかね」

「だったら何も問題はありませんね」

「ギラの余裕はどこから出てくるのかな」


なんにしても挑んだ者は返り討ちか生きても重傷の場合が多いそうだ。

それだけ強い魔物というからには面白い相手なのだろうと考える。


ギラとしても強い相手を叩きのめすのは大好きだ。

それが人間だろうと魔物だろうとである。

とりあえずその魔物についての情報を聞いておく事に。


「ふむ、どうやら悪魔の魔物のようですね」

「悪魔ねぇ、悪魔はデバフとか得意にしてるから地味に厄介だよ」

「魔法に対する耐性も強いしな」

「それでも行くんですよね?」


そんなのは言わずもがなである。

その魔物を倒してドヤってやるつもり満々であるからして。


「まあいいさ、アタシは特に異論はないよ」

「どうせギラの無茶振りなんだからさ、それにつきあうのも慣れっこだよ」

「なのです、ギラさんは無理難題を言うのが好きなのですよ」

「僕としてもそれぐらいじゃないと、刺激にならないですから」


散々な言われようである。

リックやハルミですらもはや諦めているのだろう。

ギラもそんな無茶振りを楽しんでいるのは確かである。


「それじゃ行くんだろ?」

「ええ、その魔物をフルボッコのマジブッコしにいきます」

「フルボッコは分かるけど、マジブッコってなに?」

「マジぶっ殺す、略してマジブッコですよ」


メーヌが丁寧に説明してくれる。

そこじゃない気もするが気にしない。

なんというのか、気怠げなヤンキーみたいな物言いである。


「ギラってたまにヤンキーみたいになるよね」

「とはいえ怖くないですわよね、そんな恐れを感じませんわ」

「それは単純にギラの見た目に怖いという要素が少ないからだろうな」

「僕としてもそんな怖くないですよ」


まあそんなボロクソに言われつつも、北の山に向かう事になった。

シルバーランクの冒険者をも簡単に返り討ちにする悪魔。

その正体もついでに暴いてやるぜ、ヒャッハーである。


だがその魔物の他に思わぬ別の何かが待っているのである。

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