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小さき襲撃者

シスターリアに関する情報を集めるギラ達。

だがブルクハルトからの情報も引っかかっていた。

孤児院には秘密がある、それを半ば確信しつつ情報を集める。

だがそれと同時に思わぬ出来事が起こる。


「ふむ、やはり駄目ですか」

「ブルクハルトの言ってた事も気になる、孤児院には裏があるだろうな」

「それが何を意味しているか、だよね」

「明らかにきな臭いわよ、もう少し慎重に…」


次の瞬間何者かがギラ達に斬りかかってきた。

即座にそれを回避すると、襲撃者は足早に逃げていった。


「あれは通り魔ですかね」

「…少し待ってろ」

「あ、ソウさん!」

「行ってしまいましたわ」


ソウがその通り魔らしき相手を追う。

足には自信があるソウ。

その襲撃者との距離を人混みの中にも関わらず瞬く間に詰めていく。

襲撃者は裏路地に逃げ込むものの、ソウは確実にそれを追い詰めていく。

そして襲撃者を袋小路へと追い詰める。


「さて、アタシから逃げようとか100年早いよ、このクソガキ」

「ちっ、やはり簡単にはいかないか」


その声は幼く子供であると確信させる。

それでも逃げるつもりなのか、その隙を窺っている。


「今だ!」

「甘いね、ほら!」


素早く脇を走り抜けようとした子供を容赦なく地面に投げつける。


「さて、その顔をご開帳といこうか」

「放せ…この!」


だが子供の力でソウに勝てるはずもない。

そのまま覆面が剥ぎ取られその顔が露わになる。


「やっぱりか、あんた誰の指示だ?独断ってわけでもないんだろ?」

「言うもんかよ…それでもあんた達は消さなきゃな」


そのままの体勢でナイフを投げる。

だがそれを顔を逸して回避する。

力を強め質問を続ける。


「言いたくなければそれでいい、でもね、アタシはあんたより確実に強いぞ?」

「あんたもシスターかよ、いや、シスターなのに明らかに…」


子供は必死に抵抗を試みるも、ソウの力の前に為す術がない。

そしてソウも少し強引な手段に出る。


「やれやれ、まあ見られてないなら問題ないか、アタシの目をよーく見ろ」

「何を…やめ…」


ソウが眼帯を捲る。

次の瞬間子供が静かになる。


「さて質問だ、あんたは誰に言われて誰を狙った」

「大地の骨…デリーラ様の教え…裏切り者は悪…悪は殺せ…シスターリアを殺せ…」


催眠にかかったかのように子供は次々に自白していく。

その発言からシスターリアは何かしらの理由で裏切り者にされたと思われる。

失踪したのもそんな秘密を誰かに密告するためなのだろう。


「シスターリアはなぜ裏切り者になった、孤児院の秘密を言え」

「孤児院はデリーラ様の意志を継ぐ…シスターリアはそれを国にバラそうとした…」


つまりその孤児院は大地の骨がその意志を継ぐ者を育成していたのだろう。

そしてシスターリアはそれを知り、それを国に告発しようとした。

その結果裏切り者となり孤児院の暗殺者達に追われたと思われる。


「それで充分だ、さて、あんたはこのまま警察に出頭する、そして証言するんだ」

「分かった、僕は出頭する、証言する」


そのまま子供は虚ろな状態で警察へと向かっていった。

ソウもギラ達の下へ引き上げる。


「あ、戻ってきました」

「どこに行ってたんですか」

「少しね、それより少し気になる事がある、今夜街に出てシスターリアを探すよ」

「どういう意味?」


ソウはその事は宿で説明するという。

恐らく今夜孤児院の暗殺者は動くはずだ。

シスターリアが潜伏している場所は国に訊く。

さっきの子供の証言もあり協力は出来るはずだ。


「まあいいです、では今夜ですね」

「ああ、アタシは少し行く場所があるから先に宿に行ってな」

「分かりました、では後ほど」


そうして夜を待つ事になった。

シスターリアと孤児院、それは大地の骨の闇を垣間見れると思われる。


邪悪な正義、それは大地の骨が狂気だと教えてくれる。

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