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行方不明の母親

最北の国で騒ぎ明かしたギラ達。

その翌朝コルド鉱石を届けにミリストスへと帰還する。

この国の事は口外はしないようにと釘は刺されていた。

そうしてミリストスに戻ったギラ達は、その鍛冶屋へと向かう。


「本当に採ってきたんですか」

「はい、言われた通りに」

「流石に何かとありましたけどね」

「なんにしてもこれで約束は果たしたぞ」


それに対しエルミーは嬉しそうな顔をする。

そしてお礼だと言い一つの剣をくれた。


「こいつは立派な代物だね、でも見た感じ実戦用じゃなく装飾用か」

「はい、以前私が打ったんですけど、結局使わなかったので」

「でも装飾用の剣なんて使い道ありますかね」

「そうだね、何か使い道が欲しいかも」


エルミーはその剣をオルバインで売れば大金になると言う。

オルバインの商人達はそれこそ目の肥えた連中ばかりだ。

そんな連中でもこれなら高値で買い取ってくれるはずだという。


「まあそれなら換金に回してもいいんですかね」

「はい、元々装飾用なので誰かに飾ってもらわないと始まりませんし」

「分かりました、ではこの剣は高く買い取ってくれるところに売りますよ」

「換金しなかったら使い道もなさそうですものね」


そうしてエルミーはそれでいいと言う。

とりあえずコルド鉱石の事は感謝しているそうだ。

そうしてギラ達は鍛冶屋をあとにして今後を考える。


「とりあえずこの剣はオルバインに行って売っちまいますか」

「だね、少しは稼ぎになるだろ」

「それじゃ一旦オルバインに飛びますか」

「なのです、お金にするのです」


そんなときどこかで聞いた声がする。


「おや、ヘンゼル様、お元気ですか」

「ブルクハルト…相変わらずお金を巻き上げてるのか」


それはブルクハルトだった。

せっかくだし彼に報酬でもらった剣を鑑定してもらう事にした。


「この剣を私に買い取って欲しいか、少し査定は厳しくなるよ?」

「構いません、想定より安くないならそれでいいですから」


そうしてブルクハルトはその剣をじっくりと観察する。

その完成度や芸術性に彼も参っているようだ。


「ふむ、では私の見積もりでは50万、それで手を打とうか」

「そんなに出してくれるんですの?」

「ブルクハルトがその金額を提示するって事は、それだけの代物か」


そうしてその金額で同意しブルクハルトに50万で買い取ってもらった。

彼自身こんな素晴らしい品ならもう少し高くてもよかったという。

そのあとは商売があるとの事で、その場を去っていった。


そうして改めて次を考える。

すると何やら呼びかけをする子供達が目に入る。


「この人をご存知の人はここに連絡をください!」

「あの、何かあったんですか?」


その子供に翠が声をかける。


「あ、えっと、お姉さん達もしかして冒険者だったりとか…」

「そうですわよ?それでそのチラシはなんですの?」


子供達曰く孤児院のシスターで母親のような存在らしい。

だが数日前に買い物に出たっきり戻ってこないという。

それで知っている人がいたら情報を呼びかけているという。


「なら僕達が探してきますよ、買い物ってどこに行ったんですか?」

「えっと、四日前に孤児院で使う食材を頼みにいったって」

「だとしたら卸業者ですかね、一応探してみます」

「少し時間はかかるかもしれませんが必ず見つけてきますね」


子供達もそれに対し信頼を寄せてくれた。

とりあえず子供に聞いたその、シスターリアというシスターを探しにいく事に。


市場に向かい情報を集めた結果、発注を終えて帰るところまでは見たという。

だがそのあと個人的には帰っていない。

何やらきな臭さを感じるギラ。

もう少し情報を集めてから改めて判断する事にした。

突然行方をくらましたシスター、その背後にあるものはなんなのかは今は分からない。


だがそのシスターについての噂は、思わぬ闇を見る事となる。

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