最北の国
コルド鉱石を求めるギラ達。
ソウの提案もあり世界最北の国と呼ばれる国へとやってきた。
その国は一部の人間しか知らない鎖国された国だ。
ギラ達の入国も当然チェックされる事となった。
「お前達、どこから来た?」
「南からだよ、少し探しものがあるんだ」
「やっぱり審査とかあるんですか?」
「一応抵抗はしないけどさ」
その兵士と思われる男性は少しの沈黙の後国に入る事は許可してくれた。
だが国民との下手な干渉はしないようにと釘を刺されてしまう。
「それでコルド鉱石ってどうやって探します?」
「鉱山の一つぐらいありそうだけど、勝手に入ったら怒られるわよね」
「誰かに許可をもらいたいところだな、とはいえ下手に干渉するなと言われている」
「だとしたら…宿にでも行ってみるか」
そうして宿に向かうギラ達。
宿の女将にそれについて話してみる。
すると街外れに変わり者の貴族が住んでいるという。
その貴族の力を借りれば国に進言してもらえるかもしれないという。
ギラ達は宿にチェックインをしてその貴族の屋敷に向かう。
「ここですか」
「なんかゴッテゴテですっ」
「悪趣味…とは違うか」
「とりあえずいるかどうか訪ねるわよ」
屋敷の中に人の気配はする。
扉をノックしても聞こえるかは分からない。
なので少し大きな音を立ててみる。
「誰だ!私の家の前で音を立てているのは!」
「成功ですね」
「過激だねぇ」
とりあえずその貴族に交渉を持ちかける。
「ふむ、コルド鉱石…確かにこの国なら採掘出来るだろうな」
「それで鉱山に入る許可が欲しいんですが」
貴族の話では鉱山に行かずとも採掘は可能だろうという。
ただその場所は危険区域に指定される場所で、やはり許可は必要だそうだ。
「ならどうしたらその危険区域に行けます?」
「うーん、なら私の要求を飲んでくれたら国に進言するが、どうだろうか?」
つまり要求を受け入れろという事である。
一応その要求だけは聞いてみる事に。
「この国はこの通り鎖国だろ?外の世界の珍しいものをそうだな、10点ほどだ」
「つまり外の世界の何か珍しいものを適当に10点だと?」
ただしそこは貴族なのか、芸術品などがいいとも言う。
手持ちに珍しいものはそれなりにあるが、それで交渉してみる。
「ふむ、これが外の世界の芸術品なのか?」
「ああ、手持ちはこれで全部だ、数は満たしてるが判断はそっちに任せる」
貴族はそれを見て欲しいものを手元に寄せる。
数は10点を満たしているようで満足そうだ。
「そんなものでいいのか、貴族の感性はやはり変わっているな」
「ははっ、まあそれはいいとして、明日にでも国に掛け合ってみるよ」
「感謝します」
貴族は明日結果が出たら宿に行くという。
そこで改めて結果について話してくれるそうだ。
「とりあえず国も忙しいからね、果報は寝て待てだろ」
「言いますね、まあそれなら少し待ちますよ」
「だね、焦らずにね」
そうして貴族の男は協力を約束してくれた。
ギラ達はそれに感謝し、屋敷を出て宿に戻る。
「なんとか交渉成立か、まあ焦っても始まらんのだろうな」
「それにしても危険区域ですか、嫌な予感はしますよね」
「フラグは立てるものですからねぇ」
「あはは、物騒ですよ」
そんなこんなで今日は休む事に。
外はただでさえ寒かったが、夜はもっと寒くなるという。
流石に凍えたくはないので、宿の中でぬくぬくしておく。
「最北の国と呼ばれるだけあって寒かったですよね」
「ですね、こんなときはお風呂です」
「いいですわね、では早速行くとしますわよ」
「寒い土地での風呂は格別だからね」
当然リックも連れていかれる。
リックが女の裸体に対して冷めてしまうのも納得である。
もうリックからしたら驚くようなものでもないのだから。
こうして最北の地での夜は更けていくのである。