骨の裏にあるもの
鍛冶屋からの依頼を引き受けたギラ達。
とりあえずバドカへと飛び、コルド鉱石について調べる事に。
目的地は大図書館、そこなら情報もあるはずだ。
ギラ達は大図書館へと久しぶりにやってきたのである。
「さて、コルド鉱石ですね」
「手分けして探してみるよ」
「分かりました、では後ほど」
「本の山から探すのも大変よね」
そうして鉱石関係の本を読み漁る。
するとコルド鉱石に関係する記述を発見する。
「こいつがコルド鉱石みたいだ」
「えっと、寒いところで出来るというのは当たってますね」
「ただ凄く寒くないと無理っぽいよ?」
「だとしたら以前の氷の剣の場所よりももっと北になるかしら」
それより北、つまりは北極圏などになる。
そんなところに流石に鉱脈はなさそうなものだ。
「だとしたら…世界最北端の国ってのがあるらしいが、そこに行ってみないかい?」
「世界最北端の国?」
「そんな国があったんですね」
「無理もないだろうな、本に記述こそあるがそこに到達するのは困難と言われる」
だが今のソルバードは悪天候も越えられる。
ならばとその国に行ってみる事にする。
念のため確認すると、その国は夏でも20度に届かない国らしい。
今の季節では凍える寒さなのは確定だろう。
以前買った防寒具を使う事にした。
そうして図書館を出るギラ達。
すると街の方が何やら騒がしい。
ギラ達はそっちへ向かってみる。
「ククク、さあ、来い」
「あれは…大地の骨の…」
「なんですあれ?影みたいなのが…」
「あれが街を襲ってる?それで操っているのはあの骨の残党ね」
するとその残党がこちらに気づく。
「来たか、どうだ?この美しい景色は」
「私を殺すためなら手段を選ばないですか」
「その割に死者は出してないっぽいね」
「とことん下衆ですわ」
だが骨の残党はそんな事は意にも介さない。
「我らは貴様を殺さねば気が済まんのだ!そのための囮がこの民どもだ!」
「どんだけ下衆なのやら、ならここであなたを爆発四散させましょうか?」
だが骨は不敵に笑う。
「ククク、我らは力を手に入れた、その力を以て貴様に断罪を下す」
「力ってあの影みたいなやつかね」
「物騒なものだな」
「逆恨みもいいところですよっ」
とはいえそんな骨もその憎悪は本物のようだ。
ギラを殺す事こそがその生きがいになっているのだろう。
「我らには後ろ盾もある、貴様を殺すためならばあらゆる手を行使出来る」
「相変わらずお喋りな限りで」
「後ろ盾ねぇ、まあいいさ、とりあえず…はっ!」
ソウが素早く暗器を放つ。
だが不思議な力によってそれは弾かれる。
「そんなものは効かんよ」
「なるほど、後ろ盾とか力とか本当って事か」
「少しは厄介になったみたいですね」
「楽観的すぎません?」
骨は今回はそれを見せつけるだけだという。
世界中に仲間は散っている、どこへ行こうとも仲間が貴様を殺すという。
そうして骨はどこかへと姿を消した。
「にしても後ろ盾か、嫌な相手になりそうだ」
「何度だろうとぶっ殺してあげますよ」
「あはは、ギラさんは言いますね」
「なんにしてもウザったいですわよ」
とりあえず骨の事も頭に留め最北端の国へと向かう事に。
骨の出した影のようなものによる死者は幸い出ていない。
それだけは不幸中の幸いだったのだろう。
ギラ達はソルバードに乗り世界最北端の国へと飛ぶ。
ソウの指示に従い、その方向にソルバードを飛ばす。
すると雪がちらつき始め下は銀景色になり始める。
「あっちだよ、その方向に街がある」
「分かりました、発進!」
そうしてその方向に飛ぶと街が見えてくる。
コルド鉱石の採取はここなら出来るだろうか。
それを考えつつ近くにソルバードを下ろす。
ここにも骨はきているのだろう。
いつでも戦う準備だけはしておく。
世界最北端の国、それは一部の人間のみが知る国。
この国での鉱石探しが始まるのである。