限界への挑戦
シングル戦の会場の改修が終わる。
今日からは複数を相手にする複数戦が始まる。
ギラ達はペトラがそれに出陣する。
無数の軍人を相手にどこまで勝ち残れるか、限界への挑戦が始まる。
「さて、私も気合を入れませんと」
「複数の相手と同時に戦う50連戦、時間がかかりそうだ」
「確か参加者20人のうち半分の10人が今日やるんですよね」
「そして今日と明日の結果で50試合のうちの勝利した数で決まるんだったな」
そうしているうちに試合の幕が上がる。
最初の挑戦者であるグラマンが試合場に現れる。
「始まったね、最初は数も少なめか」
「これが試合数に応じてどんどん増えていくと」
「ペトラさんは7試合目でしたか」
「とりあえず観戦しておきますわよ」
そうして試合は進む。
グラマンの記録は29連勝。
その時点で相手の数が20人は一気に襲いかかっていた。
そんな集団を捌き切るのがどれだけ大変かを思い知る。
そのまま試合は進みペトラの番になる。
ちなみに今までの最高記録は38連勝だそうだ。
「ではいってきますわ、50連勝見せつけてあげますわよ」
「ペトラさんやる気でしたねぇ」
「仮に最高の連勝記録が被ったらそれまでの試合時間で決まるんだったか」
「1秒でも早く50連勝を達成した方が上位みたいですよ」
そうしているうちにペトラが試合場に姿を見せる。
そして試合を告げる合図が鳴り相手となる軍人が二人出てくる。
「さて、50連勝駆け抜けますわ!」
まずは軽く二人の軍人を倒してしまう。
ここからは一試合ごとに相手の数が増えていく事となる。
ペトラはそんなの知らンとばかりに襲いかかる軍人を次々に倒していく。
そうして気づけば38連勝を越え40連勝に到達していた。
「あっという間に40連勝ですよ」
「ペトラの奴、まさに見事な殺陣を披露してるね、見てて凄く爽快だよ」
「ですがここからは相手の数も桁が変わってきますよ」
「ひーふーみー…相手の数41人ですか」
そんな一人では到底捌けないような数にもペトラは臆する事なく戦いを挑む。
そして41人の相手を瞬く間に倒していくその姿は、騎士というより戦姫だった。
その後もペトラの連勝は続きついに50試合目に到達する。
最後の試合は51人の相手と一人で戦う。
それも軍曹や将軍クラスの相手も混ざる最後の難関だ。
「おほほ、負けませんわよ!!」
51人の軍人が一気に襲いかかる。
だがペトラはそれを的確かつ丁寧に、どんどん数を減らしていく。
そうして上官クラスの相手だけが残り、それを片付けに向かう。
強敵ではあるが、それを退けるペトラ。
こうしてペトラは50連勝を難なく達成してしまう。
試合時間は1時間と14分。
残りの参加者が50連勝を達した場合は、これより遅ければペトラの優勝となる。
ペトラはそのまま一礼をして観客席に戻ってくる。
「見事でしたよ」
「おほほ、軽いですわよ」
「あとは結果待ちですね」
「今日の残りの三人も見ておくとするか」
そうしてペトラの次の参加者が試合を開始する。
その結果は43連勝だった。
やはり相手は現役軍人というだけあり、数の暴力ともなれば簡単には勝てない。
そのまま試合は進み今日の10人が終わる。
記録はペトラの50連勝がやはり最高記録のようだ。
明日の10試合で50連勝をする者が現れるのか。
その場合の記録はどうなるのか。
それを少し楽しみにしつつ明日の試合に全てがかかる事となる。
「明日の記録、どうなりますやら」
「まあ簡単に抜ける記録でもないと思うのです」
「そうね、仮に50連勝をしてもタイムが問題になるわ」
「明日それが決まります、覚悟は決めましょうか」
そうして全ては明日に決まる。
複数戦の優勝者は誰になるのか。
50連勝を達成したペトラの凄さも改めて感じ取った。
後半の10試合の結末はどうなるのか。