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出逢う二つの剣

予選の四ブロックの試合が終わる。

次はその頂点に行くまでの前哨戦。

ハルミの相手は第一ブロックから勝ち上がったロペスだ。

だがそれ以上にもう一つの試合、ベゼスタとボタンの試合が気になっていた。


「さてっと、それじゃ気合い入れていこうかな」

「勝ってきなさい、いいですね」

「ま、ハルミは元より勝つつもりだろ」

「それを信じるのみだ、だから自信を持って当たれ」


そうしてハルミは試合場に向けて歩き出す。

そこにはすでにロペスが来ていた。


「さて、どうしますかね」

「まあここで負けるようならその程度、そんなもんか」

「意外と辛辣ですわね」

「だが力の世界とはそういうものだろう?」


そうしているうちに試合が開始される。

先手を仕掛けるロペスに対し、ハルミは迎撃の構えを見せる。


「あなたの剣は見ています、簡単にはやられはしない!」

「対策されるなら対策を正面から打ち破る、それも私流なんだよね」


ロペスの攻撃を丁寧に回避し攻撃の隙を窺う。

ハルミはその一瞬を確実に捉えた。


「ぬうっ!?」

「流石にこれだけじゃ倒れないか」


ロペスは多少は効いたようだが、全然余裕の構えだ。

そしてロペスは一気に反撃に出る。


「これは決勝まで見せたくなかったけど、さっさと終わらせたいからね」

「これは…霧?」


突然試合場に霧が発生する。

それはハルミの魔法、いや魔法剣の一つだ。


「くっ、この濃霧では…隠れてないで出てきなさい!」

「お望みとあらば」


次の瞬間多方向からの攻撃がロペスを襲う。

その連撃にロペスは地に伏せる。


「ナムサン、っと」


そして霧が晴れる。

そこにはハルミと倒れるロペスがいた。

それに観客は大歓声を上げる。


「ハルミの奴、面白い技を使うね」

「霧の魔法、それを使って相手を攻撃する辺り嫌らしいですっ」

「ハルミさんあんな事出来たんですね」

「やはり一般人だと侮れないですわよ」


そうしてハルミは最後の試合に駒を進める。

そして次はベゼスタとボタンがその顔を合わせる事となる。

ハルミは観客席に戻りギラ達とそれを見届ける事に。


「あんた、かなりのやり手みてぇだな」

「ええ、少なくともあんさんに負けるつもりはありまへん」


相変わらずの空気だ。

そしてそのまま試合開始の合図が響く。


「それでも俺は負けらんねぇのさ!」

「自分から間合いにはいる、ならばお答えしますえ」


次の瞬間神速の居合がベゼスタを襲う。

だがベゼスタは盾を巧みに使いその居合を逸していく。


「ふむ、盾とは面白いどすなぁ、ならその盾、打ち破らせてもらいます」

「そうなる前に決めるから安心しろ!」


ボタンの攻撃を巧みに受け流すベゼスタ。

だがボタンもベゼスタの攻撃を回避しつつ、その目は何かを狙っていた。

そして次の一瞬、瞬きしただけで見逃すその攻撃が炸裂する。


「ぐうっ!?」

「うちの目にはそれこそスローに見えます、隙は確実に逃しまへん」


ベゼスタはかなり効いている様子。

だがそれでも負けられない理由があった。


「俺は…王になる男だ…そう簡単に…負けられねぇのさ」

「王になる、夢は大切どすなぁ、ですが、弁える事も大切どすえ!」


ボタンの神速の斬撃の嵐がベゼスタを襲う。

さっきの一撃で動きが鈍っていた事もあり、直撃を喰らう。

ベゼスタはそのまま地に伏せる。

そうして試合は終わる、観客は大歓声だ。


ハルミはこの結末を予測していた。

そして決勝で彼女と激突する。

それは今までにない高揚感をハルミに与えていた。


ハルミの胸はとても高鳴っている。

この強い相手に勝ちたい、その気持ちは今にも弾けそうなぐらいに。

明日はボタンとの決勝戦、ハルミは絶対に勝つのだと心に誓う。

思わぬその強敵はハルミをさらなる高みへと連れていくだろう。

ギラ達もそんなハルミを見守る事にしたのだから。


二つの剣はその頂上で交差するのである。

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