戦いたい相手
ハルミの勝利から一夜明けた。
今日は第三ブロックの試合を観戦する事となる。
ギラ達はそれを楽しみに闘技場へと足を運ぶ。
そして今日はあいつが出陣するのである。
「今日も賑わってますね」
「ああ、それで今日はあいつが出陣する日、だろ?」
「うん、彼には決勝まで来てもらわないと困るんだよね」
「ならツンデレに応援でもすればいいさ、行くぞ」
そのまま観客席へ移動する。
試合が始まる直前ともあり会場は熱気がこもっていた。
「さて、そろそろかな」
「お、始まるよ」
「第一試合は、シコースキーとカブレラか」
「どっちも強そうですっ」
そうして第一試合が始まる。
その試合は白熱の末にシコースキーが勝利した。
そして第二試合、満を持してベゼスタの出陣である。
「出てきたね、さて、あいつが簡単に負けるとも思えないが」
「声援はしないでおこう、よけいなお世話だろうしね」
「やっちまえオラアァァァァァァァァァ!!!!」
「メーヌさんは本当に熱いお方のようで」
ベゼスタと対戦相手のウィリアムスが一礼をした後試合開始である。
「さてっと、さっさと片付けちまうか、来いよ」
「ここはあえてその挑発に乗ろう、行くぞ!」
仕掛けるウィリアムスを軽く回避しそのままベゼスタが反撃に移る。
斧を扱いながらもテクニシャンな一面のあるベゼスタ。
そのまま流れるような連撃でウィリアムスを地に伏せる。
「はっ、話になんねぇな」
「見事…でした…」
ベゼスタの初戦突破が決まる。
ハルミはそれを見て少し安心していた。
そのまま試合は進み第二戦の進出者が決まる。
ベゼスタの第二戦の相手はドミンゴに決まった。
第二戦も順調にベゼスタが勝ち進みシードのシコースキーと当たる事に。
「順調みたいだね」
「やはり彼は王になると豪語する程度には強いという事ですよ」
「ベゼスタさんやりますわね」
「なのです、簡単に負けてくれる相手じゃないのです」
そして第三戦。
ベゼスタはハンデを背負うシコースキーと対戦する。
「うっし、ハンデのある奴なんかにゃ負けやしねぇさ」
「それはどうかな?甘く見ないでもらおう」
そのまま試合が開始される。
シコースキーはハンデがあるからなのか、やはり戦いにくいようだ。
ベゼスタはそんな相手にも容赦せずに一気に畳み掛け、そのまま勝利を収める。
「うっし、順調だな」
こうしてベゼスタは第三ブロックの決勝へと駒を進める。
一方の決勝の相手は第七試合から勝ち上がったリズに決まる。
「順調に勝ち進んでるね」
「この調子ならこのブロックの優勝は決まりでしょう」
「とはいえ油断は禁物ですわよ」
「ああ、勝負とは番狂わせがあるからこその楽しさがある」
そして第三ブロック決勝戦。
ベゼスタとリズが相まみえる。
お互いに一礼をし試合が開始される。
「さてっと、こんなとこで負けられないんでね、さっさと終わらせてもらうぜ」
「あら、その余裕、打ち砕いてあげるわ」
ベゼスタも余裕の構えだ。
とはいえリズも決勝まで残った程度には強い。
それでもベゼスタにも負けられない理由があった。
「はあっ!逃がしはしないわよ!」
「やれやれ、同じ斧使いだってのに、あんたは何も分かっちゃいねぇな」
リズは高火力な大振りタイプ。
そんな相手はベゼスタからしたら単なる雑魚である。
「攻撃ってのは当ててこそだ、こんな風にな!!」
「なっ!?がは…っ…」
ベゼスタの渾身の一撃が決まる。
リズはそのまま地に伏せ、ベゼスタが第三ブロックの優勝となる。
「さて、次の相手、楽しみにしておくか」
それを見ていたギラ達もなんとなく納得していた。
ハルミは決勝で絶対にベゼスタと戦う、その決意を胸に秘めていた。
こうして第三ブロックはベゼスタが次の試合へと進む。
明日は第四ブロック、ベゼスタの相手となるのは誰になるのか。
ハルミの目はすでに次の試合を見ていた。