王の御前
大会エントリーから二日が経過し、大会当日になった。
今日はまずシングル戦の第一ブロックの試合が行われる。
第二ブロックの試合は明日、複数戦はシングルが終わってからとなる。
とりあえず試合を見るためにギラ達は城にある闘技場へと向かう。
「賑わってますね」
「だね、私もどんな試合になるか気になるし」
「第一ブロックの優勝者が第二ブロックの優勝者と当たるんだしね」
「あぁ~、この熱気…たまりませんねぇ、ドキがムネムネしちゃいます」
勝負事が好きなメーヌは恍惚としていた。
とりあえず観客席に向かい試合を観戦する事に。
「ふむ、開始までもう少しですわよ」
「そんな事もあろうかと食べ物と飲み物用意してあるよ」
「ソウってなんか常に先回りしてる気がする」
「まあいいではないか、観戦には付き物だろう?」
そんな感じに話していると第一試合の開始が告げられる。
第一試合はハーミッダとラスの試合のようだ。
両者が試合場に姿を見せ、お互いに一礼する。
そして審判の合図と共に試合の幕が上がる。
「ふむ、この手の試合に出てくるだけあってレベルは高いようだな」
「やっちまえー!!おらー!!」
「メーヌさん完全に着火してますね」
「こうなったら私でも止められません、触らぬ神に祟りなしです」
そうして試合を観戦しているうちに第一試合が終わる。
勝者はラス、一礼をして次の試合の対戦相手が登場する。
「初戦だけ見て言うのもあれだが、レベルは全体的に高そうな試合だね」
「うん、私でも分かるよ、少なくとも手を抜いて勝てるレベルじゃないかな」
「ハルミさん怪我を庇ってるってベゼスタさんが言ってましたけど」
「それで勝てるというのなら程度が知れるというものだろうな」
そうして試合は次々に進んでいく。
レベルの高い戦いが多く見られ、一瞬の油断が命取りな試合も見られた。
ハルミもそれを見て改めて気合を入れ直す。
「今は第五試合、でも14人だと一試合だけシード扱いな気がするんですが」
「確かに14の半分は7ですっ」
「トーナメント表あるよ」
「えっと、シード扱いになるけど、その試合はシードにはハンデが付くっぽいね」
つまりシード枠の選手には軽いハンデが付くという。
そのハンデは主に開始からデバフをかけられた状態らしい。
運営がランダムに選出したマイナス効果の魔法を背負って戦うのがシードだそうだ。
「まあ一試合飛ばすんですからそれぐらいなら安いハンデですよね」
「そうだね、とはいえ速度低下とか背負ったら苦しいかも」
「シードにはハンデがある、まあ面白いやり方だとは思うがね」
「ちなみにシードになるのは第一試合だね、第一試合の勝者が次の試合からハンデか」
要するに第一試合の勝者は次の試合からハンデが付くのだ。
決勝までハンデは常に背負う事となり、そこに強さを見出される。
そんな話をしているうちに初戦は全て片付いており、第二戦が始まっている。
第一試合の勝者はシードになり第三戦までお休みだ。
ちなみに決勝までの試合数はシード以外は同じなのである。
試合が一試合少ないシードにはそれを考慮してハンデが付く。
「試合が少ない奴にはマイナスのハンデか、一試合とはいえ差はあるしね」
「スタミナとか考慮した上なんでしょうね」
「まあランダム選出だから、必ずしもマイナスじゃないかも」
「なんか奇数で試合をすると面倒ですっ」
翠のそんな直球に少し苦笑い。
そうして試合は進み決勝戦が始まっていた。
第一ブロック決勝戦は第三試合と第六試合から勝ち上がったロペスとバースの戦いとなる。
そうしてその試合は白熱した末にロペスが優勝する。
第一ブロックの優勝者はロペス、これが第二ブロックの優勝者と当たる。
本日の試合はこの第一ブロックで終わりとなり、第二ブロックは明日となる。
ハルミは決勝まで勝ち残れるのだろうか。