試合の抽選
御前試合に参加する事となったギラ達。
参加するペトラとハルミはそれまでトレーニングだ。
そして試合の参加者が出揃ったと通達が届き、抽選が行われる事に。
抽選会場である城の闘技場に向かう。
「それじゃ行ってきな」
「うん、どこになっても勝てるようにはしなきゃ」
「複数を相手だと殺陣が出来そうですし、早い順番がいいですわ」
「抽選が始まるみたいですね」
そうして次々に呼ばれる参加者達。
最初はシングル戦の抽選からだ。
「それでは次の人」
「はい、お願いします」
「さて、どうなりますかね」
「ハルミならどこに当たろうとも勝てるだろ」
そうしてハルミがクジを引く。
ちなみにハルミが引いたのは17番目。
すでに前の17人は決まっている。
「えっと、27です」
「27、第二ブロックの最終戦ですね」
「ほう、最終戦か、そいつは責任重大だ」
「第二ブロックに限らず準決勝辺りまではあとの試合ですか」
ハルミは27、第二ブロックの最終戦に決まった。
対戦相手はまだ決まっていないようだ。
ハルミの対戦相手は誰になるのか様子を窺う。
「28番だね」
「ハルミの相手はあの女戦士みたいだね」
「結構な実力者みたいね、幸か不幸か」
「まあハルミさんなら勝てる…んですかね」
そこにその女戦士がやってくる。
「あんたがあたしの相手だね、こんな細い奴が本当に強いのかね」
「ふふっ、これでも並の相手よりは強いつもりだよ」
「言うな、自信はあるのか」
「みたいですっ」
女戦士はハルミを見てその強さに疑問を抱く。
だがギラ達は知っている、ハルミが下手な戦士よりずっと強いと。
「まあ戦ってみれば分かるよ、私は勝つからね」
「言ってくれるね、あたしはルナってんだ、当日はいい勝負をしようじゃないか」
「我々はギャラリーなので期待してますね」
「熱い勝負を期待してますよっ」
そうしてルナは挨拶をしてその場を去っていった。
そしてシングル戦の抽選が終わり、対戦表が出揃う
「私は第二ブロックの最終戦、燃えるね」
「次はペトラさんの抽選ですか」
「あっちは20人の定員でしたね」
「何番目になるか、ね」
そうしてペトラがクジを引く。
引いたのは11番目。
後半戦の初戦だ。
「ふむ、まあ上々ですわね」
「ペトラは後半戦の初陣か、覆すチャンスになりそう」
「ペトラさんは複数相手でも立ち回れますからね」
「何気に乱戦に強いって立派なもんだよ」
こうして試合の順番が決まる。
ハルミは第二ブロックの最終戦、ペトラは後半戦の初戦だ。
どっちも責任重大な位置に試合が入った。
会場を見渡すと見た顔もいた。
ベゼスタやダンなども参加するようだ。
今はあえて声をかけずに試合が出来るのを楽しみにする。
ハルミはベゼスタとどうしても戦いたいのだ。
以前に怪我を見抜かれ戦いをしなかった事。
その事もあって、やる気に火がついた。
そうして抽選が終わる。
大会本番は二日後。
御前試合とはいえやる事は武道大会である。
だからこそ負けたくないと思っていた。
「よっし、それじゃ本番までトレーニングだ」
「了解ですわ」
「やる気ですねぇ」
「若いっていいねぇ、はっはっは」
ソウの年齢が分からない理由の一つだった。
言葉遣いから年長なのは分かる。
だが正確な年齢は分からずじまいである。
「さて。本番は二日後、それまで体を作っときな」
「うん、任せて」
「勝てるだけには仕上げておきますわ」
「なら期待出来そうですね」
そうして会場をあとにする。
宿に戻り大会に向けて体を作っておく事に。
二人とも簡単なトレーニングなどは熟知している。
ハルミの最初の対戦相手は女戦士ルナ。
今回の大会はハルミの実力を知る事にもなりそうである。
ハルミとペトラの普段は見せない実力が見れそうだと少しわくわくしている。
大会本番の日、ハルミは二日目の最終戦が初陣となる。
二人の強さ、それは観客を沸かせる事となる。