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国の催し物

アヌシスの死後一夜明けた。

ギラ達は黒服に連れられ、二人の墓を立てる草原に来ていた。

そこは広大な草原で周囲には何もない場所。

アヌシスとキスカとのお別れの時間である。


「ではもうよろしいですか?」

「はい、ここの場所も覚えましたし別れも済ませました」

「今後はここに来るかは別としても、二人は静かにしてやりたいさ」

「だからもう大丈夫だよ」


その言葉に黒服も安堵の顔をする。

ギラ達が二人を覚えていてくれる、それだけで幸せなのだろうと。


「今後は写真は展示に使わせてもらいますので」

「ええ、頼みますね」

「あの写真が少しでも役立つなら」

「僕達はそれだけで満足ですから」


そうして写真は黒服達に任せる事に。

そして黒服達は次の仕事があるとの事で、ここでお別れである。

そのまま黒服達と別れギラ達もソルバードでミリストスへ戻る。


ミリストスに戻ったギラ達は今後について考える。

悪というのも気になってはいる。

だが襲ってくるのなら返り討ちにするまで。

今は別の何かを考える。


すると面白そうなものを見つける。


「こいつは…国の催し物みたいだね」

「えっと、城での武道大会、要するに王様の前での御前試合ですね」

「そういえばアルセイムだと不定期に開催してるって聞きましたね」

「なんか面白そうじゃない?出ようよ」


ハルミが珍しくやる気だ。

メーヌやギラもそれは面白そうだとして、これに参加する事に。


「受付は…今から三日後までに王城の運営に申請書を書いて渡すですか」

「なら城に行くよ」

「だな、面白そうだ」

「燃えますねぇ」


そうして城へ向かうギラ達。

御前試合の参加受付はまだやっているようだ。

とりあえず話を聞いてみる。


どうやらトーナメント制の勝ち抜き戦方式らしい。

四つのブロックで、合計56人、つまり1ブロック14人になる。

最終的に四つのブロックの優勝者同士で争い優勝を決めるそうな。

参加はまだ間に合うのだが、誰が出るかという話になる。


ギラやメーヌでは強すぎる、リックや恋夜にモレーアは魔法タイプなので不向き。

翠やソウでは簡単に勝ててしまう、エレネやテュトスはそもそもやる気がない。

そうして残ったのがペトラとハルミなのだが。


「私?うーん、出てもいいけどこういうところだと手加減出来ないよ?」

「私も出てもいいですが、やるからには手は抜けませんわよ」


二人とも参加する意欲はある様子。

とはいえどっちも実力は見てきているものの、未知数な部分はある。

ちなみにこの御前試合は二種類のバトルが用意されている模様。

一対一の戦いと一人で複数を相手にするバトルだ。

複数の相手と戦うバトルは国の軍人相手になるらしい。

試合が進むにつれ人数が増えていき、勝利数を競うサバイバルだ。

参加者は複数を相手にする連戦で50試合を戦う。

その中で勝利した試合数の多い上位三人までが入賞らしい。

こっちの参加人数は20人までとなっている。


「なら私はシングルの方に出るよ、ペトラは多数相手に出たら?」

「ふむ、それも面白いですわね、ではそうさせていただきますわ」

「そんじゃ決まりだね、エントリーを済ませるよ」

「申請書もらってきますね」


そうして申請書にハルミとペトラは参加の意思を書き提出する。

ハルミはシングル戦、ペトラは多数戦に参加する。

シングル戦のブロックと試合の抽選は人数が規定数に到達してから行われる。

もう少しで人数が埋まるそうなので、それまでは待機するようにとの事だ。

連絡は各自の宿に通達されるのでそれまでは自由にしているようにと。


「さて、それじゃ試合本番まで少し運動しとこうか」

「ですわね、万全でいきますわ」

「期待してますよ」


そうして御前試合に向けての調整が始まる。

ハルミとペトラの実力の方がどれだけのものか、拝見である。


御前試合は強き者達の宴となるのである。

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