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竜の巣

ミリストスに戻ったギラ達はそのままアヌシスの屋敷に戻る。

そこで次の秘境の場所を聞き出し、そこへ向かうのだ。

秘境探しも結構やったが、今はそれも楽しくなりつつある。

少し前までの大地の骨やらニュクス教団やらのゴタゴタが嘘のようである。


「今黒服が…」

「あの人なんなんですかね、とりあえず行きますよ」

「悪い人には見えませんでしたけど」

「いい人の黒服ですっ」


屋敷に入りそのままアヌシスの部屋へ。

アヌシスは寝たきりで動けないからこそ、ギラ達に頼んでいるのだ。


「金剛石の廃墟は写真に収めてきましたよ」

「どうも、助かります」

「それで次はどこへ行けばいいんですの?」

「せっかちですね、では次は竜の巣へ行っていただきます」


竜の巣、名前からして危険な臭いしかしない。

とりあえずその竜の巣について尋ねる。


「竜の巣はアルセイムの北西にある山の道中にあります、そこの写真を頼みます」

「北西、あの辺りは街もないしあるのは山ばかりの場所か」

「ええ、そこの五合目辺りにある大きな空洞ですよ、山の場所はここです」

「ふむ、それは興味深い、竜の生態を知るいい機会かもしれんな」


話ではその竜の巣にはとても高度な知能を持った竜が住んでいるという。

なるべく刺激は避けて欲しいとの事だ。


「分かりました、ではさっさと行ってきますよ」

「頼みましたよ、そこの写真はとても価値があるでしょうから」

「そんじゃ行ってくる」

「くれぐれも無茶だけはしないでくださいね」


ギラ達が屋敷を出たあとアヌシスとキスカは少し話をしていた。


「今回で最後になるでしょうね」

「そうですね、お嬢様の命もあと一日持てば奇跡と彼も言っていました」


それはアヌシスの命の灯火が消えるという話だった。


「キスカ、こんな私に付き添ってくれて感謝しています」

「いえ、私はお嬢様と共にあります、お嬢様の死後は私も役目を終えますから」


キスカはアヌシスの死後それを追うつもりらしい。

それだけ強い忠誠を持っているという事なのか。


「そうですね、私の体はもう維持装置を使ってもその命を維持出来ない」

「その布団の下、結局見せなかったんですね」


維持装置、それは何を意味するのか。

キスカは彼女達が戻ったときに命の灯火を消してそれを伝えようと言う。

ギラ達への感謝の手紙を今のうちにしたためておく、それが二人の感謝だ。


「さて、では明日になる前に手紙を書き終えてしまいましょう」

「はい、それが我々の感謝の全てですから」


一方のギラ達は街で準備をしていた。


「さて、竜の巣ですし強敵相手が予想されますね」

「とりあえず回復薬とかは多めに買い込みますか」

「あとは魔除けの霧も少し買っておきませんか?」

「魔除けの霧、竜の巣の魔物は強そうですからね」


そうして準備をしているとどこかで聞いた声がする。


「おっ、ギラじゃない」

「あなたは確かメノウさんでしたか」


そこに現れたのはメノウだった。

彼女は軽い冒険を終えてさっき帰ってきたようだ。


「ギラ達はまたどこか行くの?」

「ええ、少しばかり竜の巣へ」


その言葉にメノウは驚く。

竜の巣の危険を知っているからだ。


「あんな危険なところに行くんだ、無茶だけはしたら駄目だよ」

「分かっていますよ、その程度で死ぬほどヤワじゃないです」


メノウはギラ達の無事を祈ってその場をあとにする。

彼女自身冒険家なのだから、その危険は承知なのだろう。


ギラ達はとりあえず準備を済ませソルバードでアルセイム北西へ飛ぶ。

北西の山、ソウ曰くその山の近くでは時折竜の雄叫びが聞こえるらしい。

人里には滅多に下りてこないそうだが、危険な事に変わりはないそうだ。


地図に記された山の麓にソルバードを停めて山へと足を踏み入れる。

そのまま山を登り五合目辺りに到着する。

今の時間は正午過ぎ、中に入ってしばらくしたら夜になる。

巣の中ではコテージハウスより、結界の方が効果的だとモレーアは言う。

結界はモレーアがその道具を持っているので安心して欲しいそうな。


そして五合目辺りで空洞を見つけたギラ達。

その空洞へと足を踏み入れる。


「中は意外と広いですね」

「魔物も竜ばかりだ、油断したら大怪我するよ」

「うん、私も少しは本気にならないとね」

「なのです、手は抜けないのです」


ハルミもその覚悟は決まったようだ。

写真に収めるとしたら奥の方だろう。

ギラ達は巣を奥へと進んでいく。


「魔物はプチドラゴンやらドラゴンパピーやらですね」

「雑魚なのに強いのがドラゴンですから」

「甘く見てると怪我しそうですわ」

「ガンガンやってしまいましょうねっ」


そうして巣を奥へと進む。

道中の竜の骨などを写真に収めるギラ達。

それも立派な証拠になるのである。


強力な竜をなんとか倒しつつ奥へと入っていく。

半分ぐらい進んだと思われる場所で時間を確認する。

その時間は日が落ちた時間だ。

とりあえずその場にモレーアに結界を展開してもらう。


今夜はその結界の中で休む事に。

安全な空間を見つけたのでそこに結界を展開だ。

そうして暗い中での夜は過ぎていく。


竜の巣に住むという高度な知能を持った竜には会えるのだろうか。

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