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金剛石は語る

砂漠で一夜を明かしたギラ達。

早朝から金剛石の廃墟を目指し歩き始める。

島自体はそんなに大きくないが、それでも甘くは見られない。

今日中に引き上げるためにもさっさと砂漠を進んでいく。


「朝からあっついですね」

「ギラ様は我慢が足りませんね」

「そういうところはニートのままですねっ」

「まあいいじゃないの、自堕落でも」


モレーアのはフォローになっていない。

それはそれとして砂漠をどんどん進んでいく。


「それにしてもサソリとか蛇ばかりですね」

「砂漠ってなんでサソリとか蛇がこんな多いんですか」

「環境に適応した結果だろうね、毒を持つ生き物は自衛のための毒とも言うだろう」

「身を守る術として環境や体質を変えた結果ですか」


恋夜曰く環境に適応しているのだそうだ。

生きるための防御として毒を持つ生き物もいる。

そうやって弱い生き物は生き延びるという。

弱いからこその知恵や変化が今の生き物達の原点なのだろう。


「弱い者は弱いなりに知恵を巡らせて身を守るものだからね」

「生存本能ってやつですの?」

「それもあるかもね、人間だって死のうとしても意外と死なないもんだよ」

「そういうものなのです?」


生き物の生存本能。

それは簡単には死なないという証明なのだろう。

突然であれば意外と簡単に死んでしまう。

だが自ら死のうとしたら意外と死なないものなのだそうだ。

恋夜やソウ曰く本当に死のうとしても助かるケースは意外とあるのだそうだ。


「でも確かに高いところから飛び下りたのに助かったとか聞く気がしますね」

「現実はそんなものだよ、不意打ちで毒針に刺されたら意外と簡単に死ぬさ」

「でも自殺しようと考えた場合は意外と死なないように出来てんのさ」

「それが不思議ですけど、生存本能ってものでいいんですよね」


まさに神秘のメカニズムである。

人とは簡単にそんな突然に弱いのだと恋夜は言う。


そんな話をしつつ砂漠を進むギラ達。

暑さにはなんとか耐えつつ砂漠を東へ進む。

金剛石の廃墟は東の方角との事だ。

広いものの島としての規模はそんな広くないのでもう少しで辿り着けるだろう。

ギラ達は冷却剤で体を冷やしつつどんどん進んでいく。


「それにしてもこの砂漠はアルセイムの砂漠とは違う気がしますね」

「多分土地柄だろうね、同じ土地でも地域によって違うとかはある」

「自然って面倒ですわ」

「それに文句言っても始まらないけどね」


文句を垂れつつも反抗する事もなく砂漠を歩く。

そうして歩いていると突然の揺れが襲う。


「何かが来ますよ!」

「足元だ!散開しろ!」


そうして散開する。

そこに現れたのは巨大な蛇のジャイアントモンスターだ。

どうやら敵と認定されたらしくそのジャイアントモンスターは牙を剥く。


「やるしかないですね」

「その首、叩き落としてあげましょう」

「リック、忘れるなよ」

「は、はいっ」


そうして陣形を組む。

ジャイアントモンスターはギラ達を食べる気満々のようだ。


「ソウルドレイン!」

「やはり凶暴化はしないか、相手によるって事かね」

「それよりさっさと倒すわよ!」


そのまま倒すべく陣形を整える。


「猛毒の牙よ、その肉体に突き刺され!」

「蛇だけにってか、それじゃさっさと終わらすよ!」


その巨大な蛇にギラ達は斬りかかる。

簡単な相手ではないもののギラ達からしたら雑魚である。

新たに使い始めた氷の剣の斬れ味も試すにはいい機会だ。

ギラはその氷の剣で何度も斬りかかる。

そうしてその蛇は絶命する。


「ちょろいですね」

「ギラ様が強いだけでは」

「それより向こうに何か見えるよ」

「あれが金剛石の廃墟…行ってみましょう」


そうしてその方向へと進む。

そこにあったのは眩い輝きを放つ金剛石の廃墟だった。

そんな大きくはないが、その建物は間違いなく金剛石で出来ていた。

だがそのボロボロな外観は何かを語るかのようでもあった。


「とりあえず写真に収めるかな」

「ですね、今回の秘境はこれで達成です」

「それじゃ帰ろうか、日が沈む前には戻れるよ」


そうして写真に収めたらそのままソルバードへと引き返す。

時間的に昼過ぎにはミリストスへ戻れるだろう。

帰ったら次の秘境についてアヌシスに聞く事に。

砂漠をそのまま迅速に歩いていく。


「それにしてもリックも結構な数を覚えたんじゃないか?」

「そうですね、モレーアさんに教わった通りにしたら新しい魔法も増えましたよ」

「ふふ、その修業は自分の意志でどうにでも出来るから今後も好きにしなさい」

「あくまでも魔物から覚えるんですからね」


リックは目に見えてその能力に磨きがかかっている。

やはり実戦で覚えるというのはそれだけ効果が大きいのだろう。

人から教わるのではなく、魔物からその知識を吸収するという魔女らしい修行だ。

リックの知識は確実に増え、頼りになっているのである


そのまま砂漠を歩きソルバードになんとか戻ってきたギラ達。

ソルバードに乗り込みそのままミリストスへ引き上げる。

アヌシスに次の秘境を聞きにいくのだ。

そんな秘境探しが不思議と楽しいギラなのだから。


秘境探しはまだまだ終わらないのである。

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