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ユキとエリスの婚約は瞬く間に国中へと広がり、祝う声もあれば侯爵家といえど次男では相応しくないという声もあった。

それならば、王女に相応しい男になってやると、エリスは一年遅れて王立学園へ入学した。


冬の始まりに入学したのですぐにウィンターホリデーがやってきて、エリスはさっさと荷物をまとめて領地ではなくユキの元へと戻った。

城ではエリス専用の客室が用意され、ユキはアネットという侍女が付き彼女とも親しくしているという。

ユキと呼ぶのはエリスだけで、皆シラユキ姫様、王女殿下と呼ぶため、特別感があって二人とも気に入っている。

ユキの本当のことを知っている、本当の姿が見えているのはエリスだけ。ユキにとってエリスは最初から特別な人だったのだ。


いくら恋人同士、婚約関係にあるからといって、未婚の女性と二人きりにさせるわけにはいかないので、逢瀬の時間も必ずアネットがついてくる。

アネットは男女交際に厳しく、また、国王陛下直々に清い交際となるよう言づかっているのだ。

いい雰囲気になっても許されるのは唇に触れるだけの甘いキスのみ。それ以上はエリスがトレーで頭を叩かれるので、ユキが申し訳なくなり「結婚までは清い交際でいよう」と約束させたのだ。

エリスもまだ身体が成長しきっていないユキに手を出すのは憚られるし、まだお互い子どもだと理解しているので、それで納得していた。


病に伏せっていたエリスの母も、ユキの魔法により快復したため、侯爵家一同からとても感謝された。


ユキの願えば叶う魔法の規模は大小様々で、人のために願う時は大体叶うことが分かった。

さすがに万病全てに効くとは限らないが、この力を使って民を救いたいという思いが強くなり、ユキは週末になると修道院へ赴き、病に伏せる人達を癒していった。


王立学園に通うエリスは元々賢かったため瞬く間に学年トップを取り、眉目秀麗であることから女生徒に恋情を向けられることもままあった。

しかし、エリスの婚約者はこの国の王女殿下なので、エリスとそういう仲になるということは王命に背くことになる。そうなると最悪爵位を剥奪される可能性もあるため、学園に通う娘達は泣く泣く諦めたのだった。


そして、ユキが魔法の力をコントロールできるようになる頃には三年の月日が経ち、ユキは十八歳、エリスは二十歳と貴族や王族の結婚適齢期を迎え、エリスが学園を首席で卒業した後に二人の結婚式は執り行われた。


厳かな式は国を挙げて盛大に祝われることとなり、二人の馴れ初めは『シラユキ姫物語』として語り継がれ、絵本や小説、舞台やミュージカルなど幅広く愛される物語となった。


ユキとエリスの二人は子宝にも恵まれ、妖精女王の魔法の加護もあり末長く幸せに暮らしたという。

強く逞しく生きたユキは、この国の偉大なる女王陛下として後世まで名を残した。

また、そんな彼女を常に支え続けた王配殿下として、エリスもユキと共に歴史に名を刻むのであった。



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