前へ目次 次へ 40/41 天使なる存在 「へぇ、君には僕が蝶に見えるんだ」 ジェインの目の前には、そうしゃべる白い蝶がひらひらと羽ばたいていました。 「僕は人間から天使と呼ばれる存在なんだよ。大概は人間が思っている通りの姿に見えるんだけど、まさか、君は天使の姿を知らないのかい?」 ジェインにとって「天使」とは、真っ白な蝶でした。村人が血の天使と呼ぶからです。それ以外の天使なる存在は知りません。 村から逃げ出し、森でうずくまっていた日の事でした。