前へ目次 次へ 37/41 閉鎖病棟より愛を込めて 大学三年生の時の彼女とは一年程付き合った。別れた理由は彼女が就職を機に地元を離れるから。俺は結局地元の工場に就職した。 ある時、工場は不良品を出荷してしまい、取引先まで謝罪と検品に行った事があった。そこの受付に彼女はいた。紺色の制服に身を包んで、あの時のえくぼを俺に見せて目を輝かせた。 それから二年が経って、彼女は地元に戻って来た。いわゆる鬱病。彼女には子供がいた。 妻が連れて来た子供は多分、その子だ。