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失くした恋はエスプレッソより苦い

 重厚感のあるコーヒーの匂いも、マスターのちょっと無愛想な口元も、しなやかなポニーテールの奥様ともこれでお別れだ。


「ありがとうございました」


 私は礼を言って頭を下げた。また涙腺が緩んだ。しばらくコーヒーは飲みたくない。

 ドアを開け放ち、私は新しい恋に行く! と、思ったのだが。ぶつかりそうな距離にあいつが居た。横に私より不細工な女を連れている。私、あなたの為にメイク必死に覚えたのに、そんな地味な女がいいの?


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