前へ目次 次へ 28/41 失くした恋はエスプレッソより苦い 重厚感のあるコーヒーの匂いも、マスターのちょっと無愛想な口元も、しなやかなポニーテールの奥様ともこれでお別れだ。 「ありがとうございました」 私は礼を言って頭を下げた。また涙腺が緩んだ。しばらくコーヒーは飲みたくない。 ドアを開け放ち、私は新しい恋に行く! と、思ったのだが。ぶつかりそうな距離にあいつが居た。横に私より不細工な女を連れている。私、あなたの為にメイク必死に覚えたのに、そんな地味な女がいいの?