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18 グッド・バイ 其ノ肆
東の空が淡く色を変え、のぼる太陽が波を輝かせる。
静寂となった病院に、窓から日の光が差し込む。
夜があけたのだ。
「凛太郎。」
朝日を背に受ける修二が振り向く。
「これで吸血鬼は俺だけだ。」
「そうだな。」
一晩の間、おれたちは吸血鬼と戦い続けた。
街中から集められた吸血鬼たちの全てを退治し、やっと修二と二人になった。
修二はおれに金槌と杭を手渡した。
「頼むぞ。」
「ああ、任せろ。」
白く輝く床の上に修二は腰を下ろす。
おれは修二の肩を押して、その上に跨った。
「修二。
お前は生まれてくるべきではなかったと言っていたけどな。」
杭を修二の胸にあてる。
「おれはお前と出会えてよかったと思ってるよ。」
金槌を振りかぶる。
「凛太郎、お前やっぱり変わってるな。」
修二は毒気のない無邪気な顔でわらった。
それが修二の最期だった。




