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世界が反転した
翌日、朝起きても部屋にアーランクルが戻っていなかったため朝食を食べようと宿屋1階の食堂まで降り立つガルシア。
昨日も騒がしかったが、騒がしさの中に言葉では言い表せない居心地の悪さが含まれていることに気づき宿屋の店員から受け取った食事とともに近くの席に座るとガルシアは周りの喧騒に耳を傾けた。
「いやぁ〜…驚いたよぉ。まさかあんな子供がレッドドラゴンを倒しちまうなんてさぁ」
「あの少年こそが勇者だな!この街に降り立った救世主だよ!」
「今思えばアーランド?だっけか?アイツがリクト様との決闘から逃げたのもボコられるのが目に見えてたんじゃねえか?」
「アッハハ!言えてるよなwあんな腰抜けを一瞬でも敬ってた自分が恥ずかしいわww」
「ん?あれ、おいあそこ見てみろよ。腰抜け『《《アーランド》》』の腰巾着女が呑気に飯食ってるぞ」
「ッ…!!ほ、ほひほうはは…!!」
昨日とは手のひら返した市民達の罵倒の矛先がガルシアに向くやいなや、ガルシアは急いでパンとスープを口に詰め込み、逃げるように宿屋を後にした。