蛮族の森の主、ジャイアントオーガ
初めて異世界ファンタジー書きました!
見ていただけると嬉しいです!
その瞬間は実に静かだった。
蛮族の森の主、ジャイアントオーガは自分の中に感じた違和感に思わず手を止めた。
そうだ、縄張りに入ってきた人間をいつものように殴り殺し部下のゴブリンどもに挽き肉を与えてやる…今日も同じ一日だったはず。
だけど何故だ?目の前の人間はまだ挽き肉になってない。攻撃が当たらなかった?避けられた?防がれた?いや、そんなことよりも苛つくのは
こ の 人 間 が す ま し た 顔 で 俺 を 見 上 げ て る こ と だ。
殴ればすぐに死ぬ人間風情が舐めた態度をとりやがって…!何をしたかは知らねえがそのすまし顔をすぐに恐怖に染め上げげげげげげげげげげげげげげげげg──────
ジャイアントオーガが渾身の力で右手を振り上げようとしたその時、
彼の胴と足はグラリと開き、臓物とともにドチャリと土にこぼれ落ちた。
物言わぬ骸となったジャイアントオーガと先程まで対峙していた青年はジッと見下ろしながら己の剣に付着した血を払う。
「………もう死んだよね、アーランクル?」
青年の後ろに隠れていた魔法使いの少女ガルシアは震えながら語りかける。
少女の疑問に対し、鎧姿の青年アーランクルはニカッと歯を見せ微笑んだ。