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最強の守護士

「返魂人様を守れ!妖魔の盾となるのだ!」


妖魔…それは、この世に未練を残したまま死んだものの魂が悪意と結びつくことによって醜い獣のような姿となったもののことを指す。


この様な魂は、正常なる魂を食うことによってその人間の姿を奪うことができる。これを我々は還魂とよんでいる。


その様な妖魔から人々を守っているのが、朝鮮王朝直属で魂を帰す者である、返魂人と呼ばれる者たちだ。


特殊な訓練によって妖術を操ることができ、彼らの妖術は魂だけを攻撃するため、戦闘後の体は傷一つないことが不思議である。


だが、自分の身を守ろうとする妖魔はとても恐ろしく、たとえ返魂人といえども単独で妖魔と渡り合うことはできない。


そこで常に返魂人と行動を共にし、妖魔と戦い人々を守る者達を守護士と呼ぶ。


返魂人には素質があり、修業を重ねたものしかなれないが、守護士は誰でもなれる。勿論、戦闘が起きれば最初に死ぬリスクも伴うが、実力のある守護士は、生まれを問わず王宮を守る近衛騎士に選ばれることもあり、なりたい仕事のトップでもある。


「おい!シグルド。何してる!おまえもた戦え!」


そう、こんなこと考えている俺も意外に守護士だったりする。さっきから俺にとやかく言ってくる奴は、あ…名前なんて言ったっけな。覚えてないけど王宮から来た守護士だった気がする。


俺は親父が地方長官として郡守をしていて、偶々郡内で一番腕が立つという理由から、守護士となった。まぁ、三男坊でどうせ家を継げないし、ぐうたら生活をしていたから追い出されたと言ったほうが正しいんだけどな。


今は、俺の故郷に義禁府のなとかっていう判事が来て、都近辺で大規模な妖魔の集団が発見されたとかで各地から実力のある守護士達が集められて戦っているってわけだ。


ただ…


「戦えって…さっきまでお前は手を出すなって言ってたじゃないですか。それにさっきあなたから今回の戦闘に参加しない代わりに功績をすべて俺に渡せって。ここにあなたの捺印付きの証文もありますし。頑張ってくださいね。俺は向こうで休んでますんで。」


「おい…おい、待て!待ってくれ!」


俺は背後で絶叫してるなんとかっていう上席を尻目に近くの大樹に登った。


正直こんな戦かったるくて仕方ない。

そもそも、俺がいれば守護士も返魂人もいらない。なんて言ったって俺は…


「退魔師シグルド!貴方も戦いなさい!」


俺は声の主を探した。するとあの阿呆がいつの間にか喰われていて、奴が守っていた返魂人の女性がいた。凄い妖艶な女性で何でも親が内禁衛で長官を務めているらしく、流石に容姿端麗で素晴らしい。


まぁ…口がちょっとあれだけど…。

まぁ、バラにだってトゲあるしね。

そして退魔師って言ってたけど。

俺は、まぁ返魂人の能力も実はある。

これは生まれつきなので、修業とかは何もしてない。返魂人の妖術を自分の剣に宿らせることができる。


因みに退魔師はその存在自体が珍しく、数名しか存在が確認されていないため、直ぐに王宮にて要職に就けるほど重宝される。


「アリン様。そう言うり貴方も退魔師ではありませんか。それも聞くところによれば、あなたのご両親は退魔師と返魂人だとか。そんな貴方ならばこれぐらいの相手…容易いでしょう?」


「うっ…」


辛そうだな。まぁ…容易いっていうのは嘘だ。

彼女は確かに退魔師ではあるが、返魂人が主体で護身のために剣術を習得しただけで、実を言うと退魔師ではない。剣術が使える返魂人なだけだ。


「私だけでは無理だ!」


そういいながらも、妖魔を1体ずつ片付けていっている。彼女は幼い頃から天才少女と呼ばれ、様々な貴公子から求婚されるも、自分よりも弱い相手とは関係を持ちたくないとの理由から、20代後半に差し掛かりつつも独り身を貫いている。


俺は未だ18だが、彼女が手に入るのならば退魔師に正式になってやってもいいかもしれない。


「そのままで聞いてください。1つ条件を飲んでくださるのならば、ここ一帯にいる妖魔は私が討ち滅ぼしましょう。」


「条件は何?」


「俺と付き合ってください。自分よりも強い相手なら問題ないのでしょう?貴方が勝てない妖魔を俺が倒せるなら、貴方の求める男性像には適するはずだ。」


「そんなことでいいのか?」


そんなことって…笑

この人は自分の美貌がどれほどのものか分かっていない。俺は幼い頃に父親に連れられて行った王都で初めて彼女を見かけて一目惚れした。


彼女を見た男性は年齢を問わず恋に落ちると言われるほどだ。


俺は彼女を手に入れるために、死ぬほど鍛錬して退魔師になった。


「ええ。貴方が俺と正式に付き合ってくださるのならば、ここ一帯にいる妖魔は私が討ち滅ぼします。」


「…ならば、受け折れよう。その条件。」


うっしゃぁぁぁ!!!

王都イチの美女を手に入れたぞぉぉ!!!


俺は気から飛び降りると彼女の前に進み出た。


「それでは、さっさと片付けますので、少しお下がりください。」


「…お願いするわ。」


俺は腰に下げていた剣を掴むと顔の正面に持ち上げ気を集中させる。妖術には人それぞれ属性がある。殆どが水だが、稀に2つ持つ者もいる。因みに俺は、水と炎を有している。


ここは炎で戦ったほうが彼女に対しての印象づくりになるだろう。


俺は剣に意識を集中させると、一言呟く

『解放』


すると俺の剣は、赤く光り輝きながら鞘から抜けていった。俺は両手で剣を掴み力を込めると刃に煉獄の炎が宿る。


「行くぞぉぉぉ!!!」


俺は正面にいる大きな妖魔を剣術と妖術の並列運用によって討ち滅ぼしながら、周囲の妖魔を視界に入れ、1体ずつ一撃で討ち滅ぼて回った。


2刻後…

「あぁ〜疲れた疲れた。」


俺は妖魔の気で汚れた上にヒビの入った剣をそこらに投げ捨てると近くの木の根元に腰を下ろした。


「聞いていた以上に強いんだね。」


「これでも故郷では最強の守護士として名が通っていたんですよ?」


「でも、何で隠していたの?」


「簡単なことですよ」


「?」


「貴方に求婚するためです!」


「え?」


「俺はこの時のために故郷にいるときから言い寄る女性をすべて交わして、誰とも関係を持たずに来た。直ぐに婚約してほしいとは言わないが、俺以外とは関係を持たないでほしい。」


「良いけどその代わり、私の条件も飲んでね。」


「条件って?」


「王都に同行して退魔師として登録して。そして、私の師匠になって。さっき見ただけでも、返魂人としての実力も私以上だった。」


「良いけど、ご両親はどうするんだ?」


「退魔師が相手なら文句も言わないし、貴方は郡庁の息子なのだろう?なら、問題ない。文句を言っても説得する。」


「なら…まぁ。」


「では、今後とも宜しくな。師匠様。」

最近韓国ドラマ見たからかなぁ…

夢もおんなじドラマ風になってんな。

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