ツタンカーメンの目玉はどこへ ②
まず言っておかなければならないのはツタンカーメンの目玉という刺激的な言葉になっているものの、この目玉とはもちろんツタンカーメン本人の目玉ではない。
当然、「では、その目玉とは何か?」ということになる。
そのいうことから、まずツタンカーメンの目玉があった黄金の棺について説明していくことにしよう。
ツタンカーテンの黄金の棺はツタンカーメン王墓から発見された遺物のひとつである。
そして、その中でも黄金のマスクや黄金の玉座とともに観光の目玉である秘宝となっている。
ちなみに、棺は三重構造の入れ子状態になっていた。
まず、第一の棺。
木製の棺は金箔が張られ、古代エジプトの象形文字ヒエログリフによってツタンカーメンのミイラを守護する碑文がびっしりと施されていた。
そして、その上部には碑文に守られるように腕を組んだ姿のツタンカーメンが描かれていた。
二番目の棺。
その棺は一番目の棺の中にあった。
この棺も木製であったが、多くの色を持った象嵌細工が施されていたため、見た目上三つの棺の中で一番派手で紹介されることも多い。
そして、今回取り上げる三番目の棺。
いわゆる黄金の棺と呼ばれるものである。
もちろんこれも腕を組んだツタンカーメンの姿が描かれていたのだが、現在この黄金の棺を見ると他のふたつと違う異様さに気づく。
あるはずの目玉がなく、窪みとなっているのだ。
そう。
今回のテーマであるツタンカーメンの目玉とはこの部分にあったはずのもののことである。