黒い…モノ…
あせればあせるほど…いつも出来ていたことが出来ないのである。
さて、残った食材はどうしようか。
めんどくさいし…とりあえず全部捨てれば解決…?
いやいやいやもったいないわ!
「…冷蔵庫に戻しておくしかないか。」
食べられるのか、捨てられるのか、目的もなく台所の上に広げられたものをながめて手にとる。
そして冷蔵庫の扉に手をかけた。
「っ!?」
バタンッ!
「…………………えっ?」
思わず勢いよく閉めてしまった。
というかちょっとまって…?
あれ…何…?
なんか黒いのいなかった…?
キャベツくらいあったけどキャベツそこに置いてあるし…
とか思ってたら冷蔵庫から黒いのちょっと出てきてない!?
身をひるがえしてすぐさま玄関へ駆け出す!
ガンっ!
「っっった~!」
キッチンラックに足をぶつけながら扉の鍵に手をかける!
ガチャッ!スーッ!ガタンッ!
扉が開かない!
「えっ!?あっチェーン!チェーン!」
やばいやばいやばいやばい後ろ怖くて振り向けない!
チェーンを外そうとするっ!けどっ!外れないっ!
「ちょっと!なんで!?」
あせりにあせってやっと外れた!
扉をめいっぱいに開いて飛び出す。
靴履く余裕とかない!
靴下のままエレベータの方へ!
「うっわ!出てきてんじゃんっ!」
後ろの戸から黒いのがちょっと出てる!
エレベーターのボタンをタタタタッと打ち鳴らすもまだ2階!
「遅っ!」
階段へ向かう!
足は冷たいけどそんなことに構ってるひまはなかった。
ありがとうございます。