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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
8章

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後日譚 第91話


 『夢幻水晶』について、調べてもらっていたラルフとへスターと合流。

 一度、宿に戻ってから、先程のことを二人に話すことにした。


「大変っていうのは聞いていたけど、本当に大変なことになってんじゃん!」

「『アンダーアイ』を倒したことで、余計に酷くなっているとは思ってもいませんでした」

「ああ。そういう経緯もあって、魔王とは関係ないけど、俺は貴族についてを調べることにしたんだが……大丈夫か?」

「もちろん! 夢幻水晶については、全然情報を手に入れることができていないけど、クリスの友人を紹介してくれるんだろ?」

「ああ。信頼できる人だから、協力して情報集めをしてほしい」


 グラハムを紹介する予定であり、夢幻水晶については、グラハムの協力があれば情報が得られると踏んでいる。

 というか、内部の人間でないと手に入れられない情報の可能性が非常に高い。


 先ほど何の情報も得られなかったと言っていたが、普通のルートでは情報を得ることができないという情報を二人は手に入れてくれた。

 グラハム頼りになってしまうのが申し訳ないが、グラハムに任せるしかない。


「分かりました。私達はその方と一緒に、夢幻水晶について調べます。クリスさんはお一人で大丈夫なんですか?」

「ああ。こっちはアレクサンドラが手伝ってくれるはずだからな」

「“はず”なのかよ! 手伝ってくれない可能性もあるのか?」

「貴族絡みだからな。上からの圧力がかかったら、王国騎士団、それも隊長のアレクサンドラは必然的に手伝えなくなる」

「王国騎士団よりも上の人間が、様々な悪事に手を染めているってことですか。本当に闇が深いですね」

「ああ。俺が想像していた以上に闇が深い。クラウス以上の悪人がいる可能性が出てきた訳だからな」

「もしかしたらだけどさ、クラウスもその貴族と繋がっていたんじゃないのか? クラウスは教会とも繋がっていて、『アンダーアイ』も裏で操っていたんだろ?」


 ラルフの言う通り、クラウスが繋がっていた可能性は高いと思う。

 敵対していたって可能性もあるが、どちらにせよクラウスとは近い位置にいたはず。


「俺もそうだと思っている。勇者、貴族、教会が悪に手を染めていたと考えると、本気で恐ろしくなる」

「本当に魔王よりも人間の方が悪ですね。もちろん魔王も悪ですが」

「何だか大変なことになってきたな! これからは平和に余生を送れると思ったのによ!」

「確かにな。魔王の討伐に、王国の闇を暴く。クラウスとの戦い以上に大変かもしれない」


 お世話になった街を転々としつつ、ゆっくり余生を過ごすつもりが、王都に戻ってきてからこんな展開になるとは思っていなかった。

 まぁ、まだ貴族が関わっていると確定したわけではないんだけどな。


「巨大な敵はワクワクするけど、別行動なのが嫌だな!」

「私もです。三人でずっと一緒にいましたからね。今回も本音を言うのであれば、一緒に追いたかったです」

「同時に二つじゃなければ、一緒に追えただろうけどな。夜は基本的に宿に戻ってくるし、まぁ別にずっと別行動って訳じゃない。夜ご飯は一緒に食べて、近況報告をし合えば別行動って感じでもなくなるんじゃないか?」

「んー。まぁそれはそうだろうけど、もし魔王が欲している夢幻水晶が見つかって、もし貴族が暗躍していたってなったら、そこからは本格的に別行動になるだろ?」


 そこまでは正直考えていなかったのだが、確かにそうなった場合は別行動になるかもしれない。

 まずは魔王の討伐から行い、そのあとに闇市の問題に切り込むって形でもいいのかもしれないが……自分のことだから分かるが、事実だった場合に後回しにする選択を取れるとは思えない。


「確かにそうなったら別行動になるかもな。でも、修羅場を乗り越えてきた二人なら大丈夫だろ」

「大丈夫っちゃ大丈夫な気はしてるけど、そういうことじゃない! 絆とか友情とかあるじゃん!」

「なんだそれ。ラルフらしくない発言だな」

「うっせぇ! 茶化すな!」


 言わんとしていることは分かるけど、今は絆とか友情よりも大事なものがある。

 それに絆があるからこそ、俺は二人に任せることができる訳だしな。


「ラルフ、私達の我儘ばかりは言えませんよ。それに……クリスさんがいなくとも、やれるっていうことを証明するチャンスでもあります。私達でやり遂げて――笑顔でクリスさんに魔王討伐報告をしましょう」

「……確かに、俺が世界最強の冒険者であることを証明するチャンスでもあるのか! クリス、名声は全部俺たちで頂いちゃうからな!」

「ああ。その報告を聞くのを楽しみにしている。……まぁ、まだ先がどうなるか分からないけどな。貴族が暗躍していなければ、俺は普通に魔王討伐に参加するし」

「そうなのか? もし一緒に魔王討伐に出かけるってなったら、気合い入れ損じゃん!」

「いや、気合いを入れて損なことはないだろ」


 そこからは普通の雑談をしつつ、明日に備えて早めに寝ることにした。

 仲間として、友人として、二人が頼もしくなったことを本当に嬉しく思う。


 『天恵の儀』以来、俺は不運続きだったが、それをかき消すくらいにラルフとヘスターと出会えたことは幸運だった。

 恥ずかしいから本人達には言えないが、無事に全ての問題を解決できたら……二人に心からの感謝の言葉を伝えよう。



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よろしければ手に取って頂けたら幸いです。

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