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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
8章

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後日譚 第82話


 向かいにはドレークとラルフが座った。

 俺の真正面にいるドレークは非常に気まずそうにしている。


 ラルフとは打ち解けているが、未だに俺やヘスターは苦手に思っているようだ。

 まぁ事情があったとはいえ殺し合ったのだし、当たり前といえば当たり前だけども。

 逆に殺し合ったのに、友達のように接しているラルフが異常なだけだ。


「おい、クリス! 変な顔になっているぞ! まだドレークに怒ってるのかよ!」

「違う。ラルフが変な奴だからこんな顔になってたんだ」

「はぁ!? なんで今更、俺のことで変な顔になんだよ!」

「まあまあ、落ち着いてください。本題に入りましょう」


 変な顔と言ってきたため言い返したのだが、確かにラルフと言い争っていたら一生本題に入れない。

 未だぶーぶー言っているラルフを置いておき、ドレークに話を聞くことにした。


「ラルフは置いておいて本題に入るが、魔王についての情報を教えてほしい。色々と調べていたんだろ?」

「調べていたし、現在進行形で調べているが……クリス達が魔王討伐を行うことにしたってことでいいのか?」

「ああ。流れでそういうことになった」

「そうなのか。英雄になることには興味はねぇと思っていたから意外だな」

「別に英雄になりたくて魔王討伐する訳じゃないぞ! イバンを街の中に入れてもらうために討伐するんだよ!」

「イバン……? を街の中に入れる……?」


 意味の分からない単語を出され、完全に困惑しているドレーク。

 イバンの話を出すならもっと分かりやすく説明してほしいところ。

 補足の説明をするのは俺かヘスターなんだからな。


「イバンというのは、俺達が従魔にしたアイスワイバーンの名前だ。見た目が怖すぎるという理由で街の中に入るのを禁止されている。魔王を倒した奴の従魔となれば、問題なく街の中に入ることができるだろ? 俺達が魔王討伐を目指すのはそれが理由って訳だ」

「従魔を街に入れるために魔王を討伐。……くっ、くっ、あっはっは! 無茶苦茶すぎるだろ!」


 最初は我慢していた様子だったが、耐え切れずに吹き出したドレーク。

 さっきまで気まずそうにしていたドレークが吹き出すほどだから、やはり魔王討伐の理由としては相当アホなようだ。


「俺達は本気だからな! ――だから、笑うな!」

「――くっはっは! ……ぷっ、くっく。す、すまねぇ。別に馬鹿にしようと思って笑った訳じゃねぇ。ただ、従魔を街に入れるために魔王討伐は聞いたことがなかったからな」

「魔王を討伐しないと街には入れさせないって言われたんだから仕方ないだろ。とにかく、こっちの理由は教えたんだから情報を教えてくれ」

「ああ、分かった。ただ、少し落ち着かせてくれ」


 笑い疲れたようで、大きく深呼吸をしながら水を飲んで落ち着かせているドレーク。

 ようやく話ができる態勢が整ったらしく、魔王の情報について話し始めた。


「まず魔王は魔王大陸にいる。魔王大陸は隣国であるウノヴァ皇国の先に存在する」

「へー! じゃあウノヴァ皇国に行けば、魔王大陸にはいけるってことか!」

「そうではあるんだが……魔王大陸との国境には大きな城壁が聳え立っていて、許可がないと通ることはできねぇ」

「それなら心配はない。シャーロットから直々に国を挙げて支援すると明言してもらった」

「なら、魔王大陸へは入ることができそうだな」

「ちなみにだが、ドレークは魔王大陸に行ったことがあるのか?」

「ああ。三回だけだが、クラウスに連れられて行ったことがある。それも魔王城付近まで近づいたこともあった」


 クラウスはそこまで動いていたのか。

 エデストルのダンジョンを攻略したり、権力を持つものを引き入れたりと、ただ国内で幅を利かせていただけだと思っていたから、魔王に関しては動いていないと思っていた。


「すげぇじゃん! やっぱり魔王大陸って強い魔物で溢れ返っているのか!?」

「いや、別にそういう訳でもなかったぜ。基本的にはこっちと変わらねぇ。整備が甘かったり自然が多く残ってはいたが、魔物自体は特段強いって訳ではなかった。まぁ流石に魔王城付近は、危険な臭いのする魔物がうじゃうじゃいたけどな」

「へー! 案外そんなもんなんだ! なら、普通に俺達でも行けそうだな!」

「行けるとは思うが、対策は練っておいたほうがいい。魔王城のある国までは歩いて四日ほどかかったし、道中には魔物の暮らす集落や村しかないからな」


 当たり前といえば当たり前なのだが、物資を補給できないというのは非常に痛い。

 特にイバンを連れていくとしたら、大量の食料が必要になるからな。


「魔物の暮らす村というのは、複数の種族が一緒に暮らしている村なのですか?」

「近づかないようにしていたから詳しいことは分からねぇが、俺が見た限りでは同種族だけだったな。トロールやオーガなんかの人型で知能の高い魔物が群れていた印象だ」

「近づかないに越したことはないな! 魔王城までは問題なく辿りつけそうだし、やっぱ気になるのは魔王城だろ! どんなところなんだ?」


 魔王城に関してが俺も一番気になるところ。

 街を形成している風な言い回しだったし、魔王がどんな街を造っているのかによって、魔王討伐の難易度が大きく変わってくる。

 俺は若干前のめりになりつつ、ドレークの話に集中した。



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