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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
8章

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後日譚 第51話


 ゴーレムの爺さんは眼鏡が相当気に入ったのか、ありとあらゆる物を眼鏡越しで見ている。

 保険で買ったものなのだが、ここまでよろこんでくれるとは思っていなかっただけに嬉しい。


「こりゃ本当にいいのう。王都はマジックアイテムも最先端じゃな」

「そこまで喜んでくれるとは思ってなかった。ゴーレムの残骸より嬉しそうだな」

「いや、流石にゴーレムの方が嬉しいが……同じくらい嬉しいかもしれん。そこまで目が悪いと思っておらんかったが、こうして見ると相当目が悪かったことが分かるからのう。作業も捗りそうじゃ」


 あまり見たことがない笑顔を見せている。

 

「購入して良かったです。大事に使ってくださいね!」

「ああ。もちろん大事に使わせてもらう。……そうじゃな、良いものを貰ったしワシからも一つプレゼントをやろう」

「ゴーレムの爺さんからのプレゼント? ゴーレムならいらないぞ?」

「誰がゴーレムをやるか! 心配せんでもお主らにとって実用的なものじゃ」


 そう言って取り出したのは、拳大の小さな緑色の玉。

 実用的なものと言っていたが、この緑色の玉が何なのか検討も付かない。


「その緑色の玉はなんだ?」

「この玉はヒーリング効果のある魔法玉じゃ。回復効果は微量のものじゃが、半永久的に使用できる優れもの。寝るときに枕元に置いておくだけで、高い睡眠効果も期待できる」


 思っていたよりも優れもの。

 寝つきは悪くないが、起きても疲れが取れきれていないことは多々あるため、この魔法玉はありがたく使わせてもらおう。


「めちゃくちゃいいアイテムだな。ありがたく使わせてもらう」

「ワシの店で新しく売る予定の試作品じゃから、やる代わりに使った感想をくれ」

「もちろんです! 大事に使わせて頂きますし、使った感想もしっかり伝えますね。フィリップさん、ありがとうございます!」

 

 こっちもプレゼントをもらってしまったが、ゴーレムの爺さんはかなり喜んでくれていたし大成功だろう。

 その後軽く雑談した後、俺達はゴーレムの爺さんの店を後にした。



「いやー、喜んでくれてたな! 意外にもクリスが選んだマジックアイテムの眼鏡に喜んでた!」

「あの眼鏡は本当に高性能ですもんね! とにかく元気な姿が見られて良かったです!」

「良いアイテムももらってしまったし、Win-Winの交換をしてしまった気分」

「たしかにな! ゴーレムの残骸と眼鏡でヒーリング効果のある魔法玉! 俺らが得してるまである!」

「フィリップさんには感謝ですね。……さて、次は『ガッドフォーラ』ですか? トリシャさんに会うのも楽しみです!」


 へスターの言う通り、この次は『ガッドフォーラ』へ向かう。

 トリシャもゴーレムの爺さんと同じくらいの年齢のため、俺はどちらかといえばトリシャの方が元気か心配ではある。


 まぁエデストルを離れてからは間もないし、トリシャは錬金術師。

 体調を悪くしたとしても、自分で何とかできるため大丈夫だとは思うが。


 そんなことを考えながら『ガッドフォーラ』へとやってきた俺は、『open』の看板が出されていることを確認してから中へと入った。

 何とも言えない独特な臭いが充満しており、店に入るなりすぐにトリシャのしゃがれたハスキーボイスが聞こえてきた。


「いらっしゃい。ゆっくり見て――って、クリス達じゃないか! 戻ってきていたのかい?」

「ああ。無事に戻ってくることができた。その報告も兼ねて今日は訪ねてきたんだ」

「そうだったのかい! 元気そうで安心したよ」

「俺もトリシャが元気そうで安心した」


 そう互いの身を案じ合いながら笑い合う。


「ボルスとはもう会ったかい? あいつも随分と心配していたからねぇ」

「ボルスさんには昨日会ってきた。大袈裟に歓迎してくれたよ」

「そりゃ良かった。ワタシは大袈裟でも何でもないと思うよ。それぐらいクリス達を気に入っていたからねぇ」

「そうだと嬉しいんだが、ボルスは常に大袈裟な感じがあるからな」

「んー、まぁそれも否めないねぇ」


 まぁボルスのことだから、本当に嬉しく思ってくれていたと思うがな。

 

「そういえば、クリス達がいない間に新作のポーションができたんだよ。……試してみるかい?」

「せっかくだし試してみたいな。それと俺の方からもプレゼントがある」

「ほー、ワタシにプレゼント? それは嬉しいねぇ!」


 まさかのゴーレムの爺さんに続いて、トリシャともプレゼント交換という形になった。

 ヒーリング効果のある魔法玉も嬉しかったが、新作のポーションも非常に楽しみだ。


「まずは俺から渡させてもらう。秘伝の魔力油ってアイテムと、神羊の角粉ってアイテムの二つだ」

「お、おお! 二つとも『ワイズストーン』のアイテムじゃないかい! わざわざ買ってきてくれたのかい!?」


 シャンテルも同じことを言っていたが、やはり相当有名な店のようだ。

 トリシャがここまで喜んでくれるとは思っていなかっただけに、『ワイズストーン』なる店で購入したのは大正解だった。


「名前とかも知らなかったんだが、繁盛していたからここで買ってきた。知り合いの錬金術師も喜んでいたが、相当な有名店みたいだな」

「そりゃ『ワイズストーン』を知らない錬金術師なんて、モグリと言っても過言ではないほどの有名店だからねぇ! クリス、本当にありがとう!」


 シャンテル同様に喜んでくれたし、錬金術のアイテムを買って良かった。

 眼鏡の方が良かったのかもと思ったが、錬金術師のトリシャにとってはこっちの方が良かっただろう。


「それじゃ次はトリシャのポーションを頂く番だな。一体何のポーションなんだ?」

「『ワイズストーン』のアイテムと比べたらしょうもないポーションなんだがね……聖なるのポーションと言って、魔物を寄せ付けなくさせる効果のあるポーションだよ。自分の体にふりかけるだけで、一定時間魔物が寄ってこなくなる」

「凄いポーションじゃないですか!」

「確かに凄いな! ダンジョンとかでめちゃくちゃ使えそうだ!」


 ラルフとへスターの言うとおり、かなり使いどころのありそうなポーション。

 これはゴーレムの爺さんに続き、良いものをもらってしまった。


「その代わり欠点があるんだよ」

「欠点……?」

「強い毒素を含んでいるんだ。だから、使いどころが限られているんだよ」

「いや、それは全然構わない。ちなみに何本作ってあるんだ?」

「今は十本だけだけど……そんなに使うのかい?」

「使う。一本は貰って、残りの九本は買い取らせてもらう」

「いいのかい? そう簡単に売れないと思うし、一度使ってみてからでも大丈夫だと思うけどねぇ」

「いや、今買わせてもらう」


 トリシャの腕は信頼しているし、この効果のポーションはこれからダンジョン攻略を行うに当たって非常に大きい。

 俺はトリシャから今ある全てを買い取ってから、ホクホク顔で『ガッドフォーラ』を後にした。



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