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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
8章

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後日譚 第17話


 残るはミエルと……シャーロットにも買っていくか?

 ただシャーロットには世話になったはなったが、何をあげていいのか見当もつかない。


 欲しい物はなんでも手に入りそうだし、俺たちがわざわざプレゼントをあげる必要のない人物。

 金では買えないものをプレゼントするというのならアリだが、そんなプレゼントは思いつかない。


 強いていえば、それこそ『オットーの放浪記』をプレゼントするのがいいかもしれないが、シャーロットが『オットーの放浪記』をありがたがるとは思えない。

 他には初代勇者の装備品とかだが、あくまで対等な関係性だった訳でそこまでのプレゼントはできないからな。


「あとはミエルに買っていくのは決まっているんだが、シャーロットはどうした方がいいと思う。二人の意見が聞きたい」

「お世話になりましたし、あげた方がいいとは思います。ただ……」

「何をあげていいのかさっぱり分からん! シャーロットって何を喜ぶんだろうな!」

「やっぱり同じ意見か。俺もあげた方がいいとは思っていたが、何をあげていいのか分からない」


 三人で顎に手を当てて首を捻る。

 必死に頭を回転させるが、シャーロットが喜びそうな手頃なものが思い当たらない。


「何もでてこない。王都で買えるものは絶対に買えるだろうしな」

「……そうしたらですが、お土産を渡して回る時に向こうの名産品でも買ってくるのはどうでしょうか? エデストルにはいましたので、オックスターかノーファストのお土産を手渡すとか」

「それはいい案かもしれない。というか、シャーロットに何か渡すならその案で行くしかないな」

「じゃ、シャーロットへのプレゼントも保留か? 何か後回しばっかになっちまってるな!」


 ラルフの言う通り、残すはミエルへのプレゼントだけとなっている。

 後回しにせざるを得ない訳だし、こればかりは仕方がない。

 ミエルへのプレゼントは難しそうだし、じっくりと時間をかけて選ぶとしよう。

 

「大体の内容は決まっているから大丈夫だろう。ミエルのプレゼントを選んでから、スノーへのお土産を買って帰ろう」

「ですね。それでミエルさんには何を買っていくんですか?」

「【賢者】だし魔法関連のものがいいとは思ってる。ヘスターはいいお店知らないか?」

「すいません。王都には詳しくないので分からないです。ただ、良いお店かどうかの判断はできると思いますよ」

「なら、店選びはヘスターに任せる。魔法関連で良い物がなければ、無難に食べ物系でも買っていこう」


 ミエルへのプレゼントの方向性を決めたため、早速魔法関連のものが売っている店を探して歩き始めた。

 ゴーレムの爺さんが営んでいるような店があればいいのだが、魔法関連のものは基本的に値段が高くなるため多くは存在しない。


 それでも王都なら需要はあるはずだし、一軒もないということないだろうが……。

 そんなことを考えていると、ヘスターはとある店の前で立ち止まった。


 外観はゴーレムの爺さんの店ほど大きくはなく、古びた感じの『七福屋』に似た雰囲気の店。

 ただ看板にはしっかりと『魔法専門店』と書かれている。


「雰囲気がかなり良いですね。このお店に入ってみませんか?」

「『七福屋』に似ている雰囲気の店だな。少し古い感じがするが俺も良いと思った」

「建物が古いってことは、長年この王都で営業できているってことだもんな! 俺の勘も良い店だと言っている!」


 三人共に好感触を持っていたため、早速扉を開けて中に入る。

 扉につけられていたベルが鳴り、心地いい音が店内に響いた。


 そのベルの音を聞いてか、奥から一人の女性が歩いてやってきた。

 優しそうな雰囲気のおばあさんで、服装はローブにとんがり帽子と如何にも魔法使いっぽい服装。

 見た目で判断するのはよくないが、これは期待できそうな感じがする。


「いらっしゃいませ。初めてみる顔だねぇ」

「『魔法専門店』という看板を見て入らせてもらった。少し中を見させてもらっても大丈夫か?」

「もちろん大丈夫だよ。それで三人とも魔法を使うのかい?」

「いや、俺は一切魔法が使えない! でも、こっちの二人は魔法を使えるんだ!」

「ほー! 傷や筋肉。背中の剣も立派なものを持っているから、そっちの男の人は魔法を使わないと思っていたけど魔法を使えるんだね」


 感心したように小さく手を叩くと、おばあさんは興味深そうに俺に近づいてきた。

 

「魔法の才能はなかったみたいだから、使える魔法は本当に限られているけどな。俺よりももう一人の方が魔法の技術は圧倒的に上だ」

「こっちの女の子は見るからに魔法使いだからねぇ。私は君が魔法を使えることの方が嬉しいんだよ」


 少しよく分からないことを言っているおばあさん。

 悪い人ではないだろうけど、やはり魔法を専門にしている人は変わっている人が多い気がする。


「少しよく分からないが、嬉しいなら良かったよ」

「三人は何を探しにこの店に来たんだい? 色々とごちゃごちゃとしているから、目当てのものがあるなら私が探してあげるよ」

「特に目的のものがあって来た訳じゃないんです。とある人のへのプレゼントを探してまして、魔法に関連したものを喜ぶと思って探しに来たんです」

「ふふふ、これまた随分と大雑把な理由だねぇ。そういうことならゆっくりと見ていて頂戴。お客さんも今はいないから長居してくれて構わないからね」

「おばあさん、ありがとう! ゆっくりと見させてもらう!」


 その後も少しだけ俺の目の前で観察するようにをした見た後、店の番台の前へと戻って行った。

 何がそんなに気になったのか分からないが、聞くほどのものではないと判断して、俺達は三人手分けして良いアイテムがないか探すことにした。


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