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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
8章

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後日譚 第16話


 珍しい酒や変わったボトルに入った酒は目に止まったのだが、やはり自分達で選ぶとなると不安が勝ってしまって手が伸びない。

 気になりはするものの手を伸ばすまでいかないまま、結局店の奥に酒を取りに行った店主が戻って来た。


「待たせたな。これが当店一オススメのウイスキーだ。値段は張るが絶対に気に入ってくれると思うぜ」


 店主が持ってきたウイスキーは高級そうな箱に入っており、実際に相当な値段がするのだろう。

 まずは値段を聞き、その後に中身の確認をさせてもらい、問題なさそうならこのウイスキーを購入するとしようか。


「これ一本でどれくらいの値段がするんだ?」

「一本で金貨一枚だ。この店では最上級に値いする酒だな」


 一本で金貨一枚。

 高いと言われればもちろん高いのだが、ここまでそれ以上に高価な買い物をしてきただけに安く感じてしまう。


 これなら二本買っていってもいいかもしれない。

 酒ならずっと保存しておけるし、美味い酒ならいくらあっても困らないだろう。


「なるほど。箱の中身を確認させてもらうことはできるか?」

「もちろん。好きに見てくれ」


 店主に許可を貰ったため、早速箱の中を確認してみる。

 これまたデザインに凝られた瓶に金色に輝く酒が入っており、アルコールが効かない俺にとってはまずい飲み物でしかない酒が美味しそうに見えるほど。

 自分で選ぶことができなかった訳だし、この酒を二本買わせてもらうとしようか。


「中身を確認させたが問題ない。この酒を買わせてもらいたい」

「そりゃ嬉しいね。さっき言った通り一本金貨一枚だ」

「ちなみにだが、これと同じやつはもう一本あるのか? できれば二本買わせてもらいたいんだが」

「二本? もちろんあるが、本当に二本も買うのか?」

「ああ。酒なら腐る心配をしなくていいしな」

「二本買ってくれるとはありがたいな。持ってくるから待っててくれ」


 店主は再び店の奥へと向かうと、同じ種類の酒をもう一本持ってきてくれた。

 このウイスキーとは別の酒を買うことも考えたが、この店で一番良いウイスキーってことならこれを二本の方がいいだろう。


「お代の金貨二枚だ。作業中に選ばせて悪かったな」

「全然構わねぇよ。高い酒を二本も買ってくれたんだからな。酒をあまり飲まない人でも飲みやすい酒をサービスでつけておくから、良かったら三人で飲んでみてくれ」

「ありがとう。また何かあった時は寄らせてもらう」

「ああ。いつでも待っているぜ」


 サービスしてもらった酒も受け取り、俺達は『スプラウツ』を後にした。

 全く興味のない世界だっただけに一番面白くない買い物ではあったが、店主のお陰で良い買い物ができたとは思う。


「サービスで酒をもらっちまったな! それもボルスさんにあげるのか?」

「二人が飲みたいなら宿屋に戻って飲めばいい。あまり酒を飲まない人でも飲みやすいらしいしな」

「うーん……私は遠慮しておきます。お酒はちょっと怖いので」

「俺も良い思い出がないし、やっぱり自主的に飲みたくないが……もったいないから飲もうかな! クリスも付き合えよ!」

「前にも言ったが、俺は【毒無効】スキルのせいで酒は一切意味をなさないんだよ。ジュースの方が何倍も美味いし、俺は普通にジュースでも飲む」

「別に雰囲気だけを楽しめばいいだろ? なぁなぁ付き合ってくれよ!」


 しつこく誘ってくるラルフをあしらいつつ、次の店に向かうことにした。

 ルパートとルーファスのお土産はまた別日に買うため、次はゴーレムの爺さんへのお土産。


 一番簡単なようで意外と難しい人物だな。

 色々指導をしてもらい、この中では一番世話になったであろうヘスターに任せるのがいいかもしれない。


「次はゴーレムの爺さんへのお土産だが、ヘスターは何がいいと思う?」

「ゴーレムの爺さんなんだから、そりゃゴーレムのお土産がいいだろ! 雑貨店か何かでゴーレムの置物とかあれば喜ぶんじゃないか?」

「フィリップさんはゴーレムが好きなのではなく、ゴーレムに用いられている技術が好きなんです。だから、ゴーレムの置物をあげても喜ばないと思いますよ。……多分ですが」


 最後の方は少々自信なさ気だったが、俺もヘスターと同意見だ。

 だから簡単なようで難しいと俺は評した。

 お土産的にはオックスターへ行ったついでに遺跡に立ち寄り、そこでゴーレム関連のものを渡すのが一番喜んでくれそうではある。


「なんか複雑な人だな! じゃあゴーレムの爺さんは何が好きなんだ?」

「知らない知識の書かれた魔導書とかは喜びそうですが、私に指導してくれたことから分かる通り、フィリップさんが知らない知識が書かれた魔導書なんてないと思うんですよね……」

「かなり難しいな。シンプルに好きな食べ物とかは知らないか?」

「食べ物よりも研究な人でしたし、おにぎりは良く食べてました」

「おにぎりのお土産なんてありえないだろ! 単純そうなのに選ぶの難しすぎる!」


 やはりゴーレムの爺さんのお土産で行き詰まってしまった。

 爺さんが知らない知識で限定するのであれば、俺のバイブルである『オットーの放浪記』をあげるのもアリ。


 返却してしまったが、また買い直すとなればおじいさんも嬉しいだろうしな。

 ただ植物に興味があるとはあまり思えない。


「絶対に喜んでくれるとしたら、オックスターに行ったついでに遺跡でゴーレムに関する何かを見つけて渡すことだろうな」

「それなら絶対に喜んでくれると思いますよ。というか……それが一番楽であるかもしれません」

「なら、それでいいだろ! オックスターにいた時の実力でゴーレムは倒せた訳だし、今なら余裕で倒すことができるだろうからな!」

「何か“お土産”っぽくないことだけが引っかかるが、一番喜ぶのであればそうするか。てことで、ゴーレムの爺さんのお土産も後回しか」


 ドンドンと後回しになっている気がするが、こればかりは仕方がない。

 ゴーレム関連が不発だった時のために、一応レアルザッドで『オットーの放浪記』を買い戻すとして……次のお土産についてを考えるとしよう。


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― 新着の感想 ―
[一言] こんな後日談なら書かなくていいと思う。
[気になる点] この延々とお世話になった人に対するお土産選びが、どのような話に繋がるのか気になる。ただただこの後、みんなにお土産を渡して、その反応を同じようにだらだらやるなら、後日談をやる必要はあるの…
[一言] 後日譚になってゴミのような小説になってしまって悲しい 頑張って耐えてたけど、もう無理やね。ブクマ解除
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