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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
8章

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後日譚 第15話


 魚料理に大満足の中、三人で余韻に浸りながら大通りを歩く。

 本当に美味しすぎたため、買い物を再開する前に一度休憩を入れたいぐらいの気分。


「いやぁ! 本当に最高だったわ! 朝の喫茶店から始まって、昼も超美味しいものが食べれた!」

「ラルフは散々文句言ってたけどな」

「それは忘れてくれ! あーあ……。また明日にでも食べに行きたいくらいだ!」

「私もあそこまで美味しいとは思いませんでしたね。なんだかんだお肉の方が美味しいものだとばかり思ってましたので」

「生だから美味いのかな? 腹いっぱいなのにもう腹減ってきたわ!」


 店を出てからも興奮しっぱなしのラルフだが、気持ちも分からんでもないため落ち着くようには言わない。

 喫茶店にでも行き、三人でこのままダラダラと感想を言い合っていたいが、時間は有限なため次のところへ向かうとしよう。


「さっきの店の話はそこまでにして、次に行く場所を話そう。ラルフとヘスターはどこが良いと思う?」

「次はボルスさん、ルパートさん、ルーファスさんの三人へのプレゼントですよね?」

「ああ、そうだ。剣とか防具でも買っていくか?」

「いや、装備品は自分に合ったものの方が良いと思うぜ! プレゼントだと合わなくても使わなくちゃってなるだろ?」


 確かにラルフの意見も一理あるな。

 合わないなら使わないという選択ができる相手ならいいだろうが、ボルスさんは絶対に無理をしてでも使いそうだし、そうなると装備品は却下。


「ボルスさんは確かに使いそうだな。なら、何を渡すのがいいんだ?」

「うーん……。ボルスさんは酒とか喜びそうだけどな!」

「お酒が好きと言ってましたしね。ルーファスさんは甘い物ばかり食べていると、ボルスさんが嘆いていたはずです」

「なら、三人とも食べ物か飲み物にするか。ボルスさんは酒でルーファスは甘い物。ルパートには……良さそうな栄養剤でも買って行こう」

「元気な印象しかないけど、ルパートさんは最近まで体が悪かったんだっけか! 三人とも喜んでくれそうだし良いと思う!」


 色々考えたが、三人ともこれで決まりでいいはず。

 まだ戻る日にちが決まっていないため、食べ物は腐ってしまうから後回しにするとして、今回はボルスさんへの酒だけ買うとしよう。


「とりあえず今回はボルスさんへの酒だけ買おう。ルーファスとルパートへのプレゼントも道中で探りつつ歩くか」

「了解! 何か甘くて美味しそうなものが売ってる店を見かけたら教える!」

「私は栄養がつきそうなものを売っていそうなお店を探します」


 一緒に行動はしているものの、三人共違う店を探しながら大通りを歩き、様々な候補を見つけながら目的地の酒屋へとやってきた。

 『スプラウツ』という名前の酒屋にしては小洒落たお店で、ひっそりとした感じの名酒が売っていそうな酒屋。


「酒なんて全然飲まないから、酒屋は初めて来たぜ! クリスは酒に詳しいのか?」

「俺も飲まないから一切詳しくない」

「じゃあどうやって選ぶんだ? 一番高い奴とか?」

「高い奴が美味しいとは限らないと思いますよ。素直に店員さんに聞くのが良いと思います。今日回ったお店とは違って、今回のお店は店員さんに聞きやすいですしね」


 ヘスターの言う通り、『スプラウツ』は客が少ない……というよりも一人も見かけない。

 大通りとは言っても裏道にあり、更に四階にある店だから仕方ないといえば仕方ないのだが、少しだけ不安になる人の少なさ。


 ここで良いのか悩みどころだが、ひとまず聞いてみて決めるのがいいはず。

 何やら作業をしている店主らしき人物のところまで歩き、早速尋ねてみることにした。


「すまないがちょっと質問してもいいか?」

「ん? 何か探している酒でもあるのか?」

「いや、何か探しているという酒ではなく、おすすめの酒を教えてほしい。プレゼント用に買いたいんだが、自分達では一切飲まないから分からないんだ」

「なるほど。見ての通り暇だから構わない。その相手はどんな酒が好きなんだ?」


 どんな酒が好き……?

 ボルスさんが何を好んで飲んでいるのか気にしたことがない。

 俺が興味ないってのもあるが、どんな種類の酒があるかすらも良く分かっていないからな。


「いまいち分からない。酒が好きだということは分かっているが、どんな種類の酒が好きかまでは分からない。情報が少なくてすまないな」

「うーん……。なら、つまみに何を食べていたのかは覚えているか? チーズとか肉とか辛いものだとか」

「それでしたら、ナッツをよく食べていたと思いますね。ナッツを片手にお酒を飲んでいたのが印象的です」

「ナッツならウイスキーかもしれないな。割ることもできるし、酒飲みで嫌いな奴も少ないからウイスキーはありだと思うぜ」

「よく分からないが、そういうのであればウイスキーで良い奴を選んでもらえるか? 値段は特に気にしていない」

「了解。取ってくるから待っていてくれ。珍しくて最高に美味しいやつがあるんだ」


 そう言って店の奥へと消えて行った店主。

 プレゼントを選んでいる感はゼロだが、絶対に店主おすすめのものが良いはず。


 値段に関してだけ少し怖いが、ボルスさんになら高い酒であろうが気にせず購入することができる。

 店主おすすめのウイスキーを待っている間、一応他に何かいい酒がないか軽く見て回ったのだった。



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