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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
8章

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第421話 エリファス


 物凄い轟音を立てながら、頼みの綱である元英雄のアンデッドが倒れたのにも関わらず、未だに無表情のまま低級アンデッドを生成し続けているエリファス。

 表情が変わっていないだけで焦っているのか、それともまだ手の内があるのか。

 

 情報が少ないため分からないけど、私が今やれることは気にせず攻撃するだけ。

 【魔力暴走】が切れる前に、絶対に一撃は入れておきたい。

 私が魔法を放とうと詠唱を始ようとした直後、【アニメイトデッド・アビス】の魔法を唱えた以降、一言も言葉を発していなかったエリファスが口を開いた。


「あなた強いね。同い年くらいだから見覚えがないはずないのだけど、本当に覚えていない。今更だけど名前を伺ってもいい?」


 返答するか迷ったけど、これから行われるのはどちらかが倒れるまでの戦い。

 ここで無視して魔法を放つのは少し違うと思ってしまい、私は小さく呟くように名前を言った。


「……ヘスター」

「ヘスター……やっぱり聞き覚えがない。ラストネームはなんて言うの?」

「ラストネームはない。私には家族がいなくて孤児院で育ったからね。それと聞き覚えがないのも当然。あなたとは今ここで初めて会ったから」

「そう、悪いことを聞いたわ」

「全然悪いことじゃない。今の私には家族同然の人がいるし、エリート街道を進んできたエリファスにこうして追いついているから」

「ふーん……少しだけ羨ましい。だけど、私に追いつけていないし一生追いつけない。先ほど言ったあなたがすぐ死ぬという言葉に偽りはないから」


 冷たい瞳で私を見ながらそう呟くと、先端に砂時計がついたような両手杖を向けてきた。

 そして短縮詠唱で放ってきたのは、上級魔法【フレイムフロンド】。


 上級魔法なのに短縮詠唱を行える技量や、魔力の練り方。

 どの挙動を取っても洗練されていて、敵なのに思わず見惚れてしまうほど。

 【メテオフレイム】と似た、火属性と土属性の複合上級魔法が私に襲いかかり――慌てて短縮詠唱で中級魔法を放つ。

 

「【ヘイルクーゲル】」


 慌てて放った中級魔法の【ヘイルクーゲル】だったけど、エリファスが放った【フレイムフロンド】以上の氷塊となり、高速で回転しながら衝突した。

 属性の相性も悪いし、上級魔法には打ち勝てないと心の中で思っていたのだけど……。

 【魔力暴走】化だからか、私の放った【ヘイルクーゲル】は【フレイムフロンド】を軽々と粉砕。


 そして尚、勢いは止まる気配はなくエリファスへと襲い掛かっていった。

 即座に唱えた【クレイエピタフ】という土属性の壁を作り上げる魔法により、私の放った【ヘイルクーゲル】は止まってしまったが……正直、今の攻防だけで私は勝ちを確信した。


「一生追いつけないと言っていたけど、何か力を隠しているなら早く出した方がいい。次の魔法で仕留めるから」

「ヘスターはやっぱり強い。――でも私の方が上なのは変わらない」


 今の打ち合いを見てもまだ表情は崩れず、淡々とそう告げて来たエリファス。

 中級魔法で上級魔法に打ち勝つ。それも、勢いは止まらずに二発目の魔法でようやく防がれたといった感じ。


 強がっているだけとも思ったけど、表情や態度を見てもそんな気配は見えないのが怖い。

 少し不気味に感じたため素早く決着をつけるべく、私が上級魔法で勝負を決めにいこうとしたその時――。

 エリファスは何故か懐から短剣を取り出し、私の方に向けて来た。


「短剣……?」


 予想もしていなかった奇怪な行動に思わず放心し、そう呟いてしまった。

 慌てて集中し直し、短剣で攻撃を仕掛けようとしてこようとしているエリファスに向け、再び魔法を放とうとしたのだけど――。

 エリファスがそこから取った行動は、更に私の予想だにしていないものだった。


 取り出した短剣に魔力を込めてから、私に向けていた短剣の刃先を反転させて自分に向け、私が行動を起こす前にその短剣を自身の心臓へと突き立てた。

 もはや行動全てに理解が及ばず、短剣に見立てた自らを強化するマジックアイテムなのかとも考えたけど……。

 倒れたエリファスの心臓付近からはドクドクと大量の血が流れ出ており、口からも血を噴き出し痙攣を始め、それから間もなく動きが完全に止まった。


 近くにいって様子を確認せずとも、エリファスが死んだことは私にも理解できた。

 突然の自死に驚きが隠せないけど、私に倒されて追いつかれる前に自らの手で死ぬことで追いつかれないようにしたということだろうか。


 無理やりそう解釈し、倒れて死んだエリファスから視線を切ろうとしたその瞬間。

 可視化するほど膨大な魔力が、死んだはずのエリファスの頭上を漂い始めた。


 次第にその魔力は黒い塊となり、クリスさんの【粘糸操作】のような黒い糸がエリファスの全身に付着していく。

 そして死んで倒れていたエリファスは、黒い糸のようなものに引き上げられるように起き上がり、無理やり喋らされているような口調で魔法を唱えた。


「【マリオネッタ・コープス】」



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セルフテレプシコーラ!
いつも思うが、相手が必殺技出すまで待つ必要あるかな?
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