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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
8章

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第402話 パーティメンバー


 ヘスターの魔法が効かない相手ということで、やはりラルフにドレークをなんとかして貰わなくてはいけない。

 完全防御特化型の相手に対し、ラルフも守備特化型の戦闘スタイルなため、長期戦が予想されるが……。


 先ほどラルフに伝えた通り、俺はラルフの方が断然強いと自信を持って言える。

 ここからラルフには、ドレークにだけ意識を向けて対策を練ってもらい確実に倒してもらいたい。


「スキルも判明しているのがその二つって意味だもんな? やっぱスキルで適性職業の差を感じてしまうわ!」

「ラルフだって良いスキルを持っているだろ。【神の加護】も【英雄の咆哮】も良いが……特に【神撃】。【神撃】を使いこなせるようになれば、ラルフに敵はいないだろ」

「その使いこなすようになるまでが至難すぎるんだよ! とりあえずドレークについては分かった! 俺が相手すべき敵だってのもな!」

「それなら次の人物の確認に移るか。次の人物はクラウスのパーティの後衛を担っている【操死霊術師】のアール・ロートン・エリファス。エリファスはドレークとは違い、王都のそれも超が付く名家生まれの魔法使い。両親も有名な魔法使いで、祖父と祖母も有名な魔法使いだった生粋の魔法使い家系らしい」


 魔法を司る職業で名を馳せている人物は、大抵家柄が良いといのが定石。

 エリファスも例外ではなく、王都の一等地に家を構えているような上流貴族らしい。


 俺の家柄もデジールの街では名家と呼ばれていたが、所詮は地方の田舎貴族。

 エリファス家と比べたら、家柄では足元にも及ばないのが実情。


「ミエルさんと似たような感じでしょうか? ミエルさんも確か、有名な魔法使いの一族だったんですよね?」

「まぁミエル曰く、地位も名誉も実力もエテックス家の方が上らしいけどな。現在の状況を見てしまうと、情報が少ないだけにミエルよりもエリファスの方が上に見えてしまうけど」


 王女の手駒の一人として動いている上にあんな性格だから、どうしても弱そうに思えてしまう。

 ただ実力は間違いないし、【賢者】という【剣神】に匹敵する適性職業を授かっている。

 俺があの手紙を仕掛けていなければ、戦う相手はエリファスではなくミエルだった可能性が十分にあったからな。


「ということは、クラウス次第ではエリファスじゃなくてミエルと戦う可能性もあったのか! 何はともあれ、ミエルが相手じゃなくて助かったな! 一緒に冒険した仲ってのもあるけど、ミエルと殺し合いに発展するのは御免だからさ!」

「色々と前提がおかしい気がするけど……まぁそうだな。とりあえず話を戻してエリファスの情報を話すぞ」


 ミエルと戦うことになっていた場合は、そもそもミエルと知り合いになっていないだろうし、そんな感情を抱いてすらなかったのはまず間違いない。

 だから前提としておかしい気がするが、面倒くさいため余計なツッコミはせずに話を元に戻した。


「魔法使いの家系なだけあって、エリファスは幼少期から魔法を扱う練習を行っていたようで、五歳の時には魔力のコントロールを完璧に制御。十二歳の時にはまだ天恵の儀を受けていないのにも関わらず、初級魔法を全て扱うことができていた天才だったらしい。そんな親から敷かれたレールに完璧に乗っていたエリファスは、十六歳になり天恵の儀を受け、【操死霊術師】の適性職業を授かったことで才能を開花。エリファスのことを、努力した天才とシャーロットは言っていたな」

「私とは何もかもが違いますね。敗北なき人生を歩んでいる――そんな感じでしょうか」


 ヘスターの言ったことは言い得て妙だろう。

 生まれた時から勝ち組でそのまま最高の適性職業を授かり、【剣神】であるクラウスに認められた人生の勝者。


「そうだろうな。敗北という言葉すら知らない可能性もある完璧な人間。このままクラウスと共に英雄としての道を駆け上っていくんだろう。……俺達が存在していなかったらな」


 そう、俺達が存在していなければ――だ。

 勝ち続けてきた奴はもちろん強いが、逆に負けを知らないということ。


 ヘスターはエリファスとは真逆で、負け続けてきた人生と言っても過言ではない。

 そんな負け続けの人生ながらも這いつくばって必死に生き、努力一本で力を身につけたヘスターは強いと俺は確信している。


「私達が存在していなかったら……ですか?」

「ああ。勝ったことしかない奴にヘスターは負けないだろ。努力する方法を知り、寝る間も惜しんで必死に力をつけてきた元底辺の意地を見せてくれると俺は信じてる」

「――ふふっ、確かにそうですね! 才能のある方をたくさん見てきたので少し怖かった部分もあったのですが……クリスさんの一言で戦うのが楽しみになりました。“元”底辺の意地を見せつけます」


 ヘスターは瞳をギラつかせながら、力強くそう宣言した。

 改めて思うが、偶然流れ着いた街で最高の仲間に出会うことができたのが……俺の何よりの幸運だったかもしれない。



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