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第401話 情報確認


 作戦会議を終えてから約一時間後。

 買い物を終えたスノーとラルフが部屋へと戻ってきた。


「ふへー、かなり買ってきちまったぜ! クリス、部屋まで運ぶの手つだってくれ!」

「本当に大量の荷物だな。そんなに買う物あったか?」

「何が起こるか分からないから、目についたものを色々と買ってきたんだよ! これが実質最後の買い物な訳だし、ケチケチしてても仕方がないだろ?」

「ケチっても仕方がないって言っても、エデストルで買ったものだってあるからな。荷物が多いと逆に動き難くなるし、こんなに買っても半分以上は持っていけないぞ」

「まぁいいじゃねぇか! それより早く荷物を受け取ってくれ!」


 無駄に色々と買ってきたラルフに苦言を呈しつつも、俺はラルフから半分の荷物を受け取り部屋の中へと運び入れた。

 ちなみにスノーは大きな玉のようなものを複数個、体に括りつけていて珍種のようになっている。

 

 体から外して何を買ったのか見てみると、全て大きな丸々としたメロン。

 そのメロンを見て息をハァーハァーとさせながら嬉しそうにしているし、スノーにねだられてラルフが買ったのだろうな。


 明後日の朝一には出発するのに、デカいメロンを五個も買ってくるなと言いたいところだが……。

 クラウスとの戦闘で命を落としてしまう可能性も考慮すると、スノーが食べたい物ならそう強くも言えない。


「スノー、今すぐ食べたいか?」

「アウッ!」


 俺の問いにそう吠えて返事をしたため、食べやすい大きさにカットして食べさせる。

 スノーが勢い良くメロンにかぶりついている内に、俺達は話し合いを先に終わらせようか。


「ラルフ、荷物の整理は後で行うから先に話し合いをしよう」

「分かった! そういえば良い作戦は思いついたのか?」

「いや、作戦自体は特に何も思い浮かばなかった」

「なんじゃそりゃ! じゃあ何の話し合いをするんだよ!」

「一応練った動きの確認と、改めてクラウス達の情報の確認。ちなみに同じ話を明日もするからな」

「えー! 同じ話ならそんなに何度もしなくていいだろ! そもそもクラウス達の情報も、俺もシャーロットとの話し合いの場に居た訳だし覚えているぞ?」

「ごちゃごちゃ文句を言うな。考えずとも咄嗟に情報を引き出せるようにするため、何重にも頭に叩き込んでおくんだよ。過剰に準備しても決して損にはならないからな」

「……まぁ確かに、相手が相手だし準備は入念にやっておくか!」


 買い物から帰ったばかりで少し休みたそうなラルフを説得し、話し合いの場へと引っ張り出した。

 ラルフとヘスターを真ん前のテーブルに座らせ、俺が一方的に話を行う形で話し合いを開始する。


「シャーロットから教えてもらったクラウス一行の情報の確認から行う。まずはクラウスのパーティのタンクを担っている【聖龍騎士】のジル・ドレーク四世から」

「俺との相手になる可能性が高い奴だから、そいつの情報はハッキリと覚えているぜ!」

「覚えているのは結構なことだが、それでも改めて説明するぞ。ドレークの生まれは王国の端にあるコンク村という辺境の村出身。両親共に抜きんでた力はなく農家の一人息子だったらしいが、何故かドレークは十歳にして身長一八〇センチ体重百キロの恵体の持ち主だったようで、十歳の時から兵士として村を襲う魔物と戦闘を繰り広げていた。そして十六歳の時には身長が二メートルを優に越し、天恵の儀で【聖龍騎士】を授かったことで王都の学園に入学。その化け物じみた体格と恵まれた適性職業が認められ、タンクとしてクラウスのパーティに加入って流れだ」

「境遇は若干に似ている部分はあるけど、才能の部分で大きな差があるよな! 二メートルを超える巨体って、カルロよりもデカいんだろ?」

「正確な情報は分からないが、まぁカルロよりかは確実に大きいだろうな」


 カルロも二メートル近い体格の持ち主だったが、筋肉や圧で大きく見えていただけで、実際に運んだことがあるため分かるけど二メートルはなかった。

 この間戦ったプラウズは二メートルは超えていただろうが、情報から考えるとドレークの方が大きいと思う。


「そんな巨体の持ち主とか、勝ち目がないように思えちまうな!」

「体のデカさで勝敗が決するなら、わざわざ戦いを仕掛けにいかない。……安心しろ。二メートル越えで【聖龍騎士】の適性職業を授かっていようが、ラルフの方が強いと俺は言い切れる」

「――急に褒めるとかなんだよ! 嬉しくて不覚にも一瞬ウルッときちまったぞ!」

「俺は褒めたんじゃなくて、事実を述べたまでだ。……続けてドレークの戦闘能力についての確認な。両手に盾を持つ珍しい戦闘スタイルで、言わなくても分かるだろうが完全防御特化型。ただ、背中には大剣を帯刀しているらしく、普通に戦ってもそこらの冒険者よりも圧倒的に強い」

「流石に王国中から集められた精鋭の中の精鋭なだけありますね。【剣神】であるクラウスがいなければ、ドレークが英雄として祭り上げられてもおかしくないですもんね」

「スペック的にはおかしくないな。それで、シャーロットが知っていたスキルは二つ。【聖龍の闘気】と【魔法完全ガード】。【聖龍の闘気】は能力を大幅に上昇させるスキルで、【魔法完全ガード】は盾で受けた際のみ魔法を完全に弾き飛ばすスキルらしい」


【聖龍の闘気】は俺が使える【身体能力上昇】や【肉体向上】の上位スキルで、【魔法完全ガード】は【アンチマジック】と似た感じだと思う。

 シャーロットの話的には【アンチマジック】の方が使い勝手が良さそうだったが、まぁ魔法を完全に無効化されるのは厄介なことに間違いない。



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