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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
7章

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第380話 余裕


 四階まで上がったことで、ようやく物音らしきものが聞こえてきた。

 ただ決して戦闘音ではなく、何かをやっているなぁ程度の物音。


「奥の部屋に誰かいるわね。ラルフかヘスターだったらいいけど、敵だったら最悪」

「もし敵だったら、ミエルが魔法を打ち込んでくれ。俺は体力を温存したい」

「えー、頑張れば動かせるでしょ? ……まぁもうミルウォークはいない訳だし、魔力もまだまだ残ってるから雑魚相手なら戦うけど」

 

 軽い打ち合わせというよりかは、俺が戦えない宣言をミエルにしたところで、物音がする部屋に近づいていく。

 【聴覚強化】を使えば中の様子が分かるのだろうが、残りの体力が少ないため無駄な体力消費は抑えていきたい。


 ここまでは俺が先頭で動いてきたところを、ミエルを先頭にして部屋の中へと入った。

 敵が襲い掛かってくることをイメージしながら部屋に入ったのだが――視界に入った光景はラルフが【アンダーアイ】の構成員を縛りあげている姿。


「【フレイムブ】――。って、クリスさんですか?」


 魔法を唱えるような声が聞こえたため横を見てみると、部屋の死角となっている壁に張り付いて魔法を放とうとしているヘスターがいた。

 詠唱が終わる前に俺に気づいたようで、途中で止めてくれたようだが……ヘスターが隠れているのに気づかなかったな。


「ああ、心配で駆けつけてきたんだ。……その様子だと、無事に制圧できたみたいだな」

「ラルフが今縛り上げている構成員を先ほど倒しまして、この建物にいる構成員を全て倒したところです」

「なら無駄な心配だったな。二人とも怪我とかもないのか?」

「ラルフが少しだけ怪我を負ったみたいですけど、軽い切り傷なので心配はないです。――というか、私達よりもクリスさんの体の方が心配なのですが……。全身が血だらけですけど大丈夫なんですか?」

「俺の心配はいらない。無理に体を使ったから筋肉系の損傷は大きいけど、傷は一切ないし全部返り血だ」

「全部返り血……。それはそれで心配になりますけど、とにかくクリスさんが無事でよかったです!」


 俺の血だらけの体を見て酷く心配した表情をしていたが、傷一つないことを伝えると安堵の色へと変わった。

 それから部屋の奥で『アンダーアイ』の構成員を縛り上げていたラルフも作業を終えたようで、俺達の存在に気づいて走って駆け寄ってきた。


「クリス! こっちは完璧に仕事をこなし――って、なんだその姿!? まさかやられたのか?」

「やられてない。ヘスターにも言ったが全部返り血だ」

「そっか! 返り血なら安心——とはならねぇよ! ……どんだけの人間を殺してきたんだ?」

「……分からん」


 記憶は残っているのに、本当に覚えていないほどの人間を斬ってきた。

 ラルフとヘスターが誰も殺さずに制圧しているところを見て、少しだけ引け目のようなものを感じてしまうな。


「分からんって何だよ! ……でもとりあえず無事だったのは良かった! 俺達の方は強い敵もいなかったし、あとは拘束して終わりだから王国騎士団の方に行ってもいいぞ!」


 王国騎士団の方か……。

 確かに俺のやれることはないし、そっちの応援に行くのがベストなのは分かっているが、ブルースの助けに行くのは少々気が引ける。


 ただアレクサンドラは悪い奴じゃないし、何なら丁寧に対応してくれた良い奴。

 それにシャーロットとも親しいみたいだから、ラルフ達が大丈夫って言うなら王国騎士団の助太刀に向かうか。


「分かった。俺達は王国騎士団たちに任せた建物に向かう。何かあれば二人もこっちに来てくれ」

「分かりました。拘束が終わり次第、すぐにそちらの建物に向かわせて頂きます」

「すぐに行くから安心していいぞ!」


 ラルフとヘスターだけで制圧できたことがかなりの自信になったのか、ドヤ顔を見せているラルフに思わず笑ってしまう。

 突入する前は不安そうだったことを考えると、自信をつけてくれたのは良かったな。

 俺とミエルは二人に見送られながら、手前側の建物へと向かうことに決めた。


「ねぇ、私はラルフ達の手伝いでこっちに残っていい?」

「さっきと言ってること違いすぎるだろ。俺は体が限界に近いし、助太刀はミエル頼りなんだよ。それにアレクサンドラを助けたら、シャーロットの評価が上がるしいいだろ?」

「そこまでして馬鹿王女の評価なんかいらないわよ。私にとっては自分の命が最優先なの」

「万が一危険な敵が現れたら、俺が戦うから大丈夫だ。ミルウォーク以上に危険な敵はもういないだろ?」

「もしミルウォーク以上が王都にいるとしたら、それはクラウスぐらいだわ」

「クラウスの反応はないし、てことは大丈夫だろう」


 ミエルとそんな会話をしつつ、王国騎士団が制圧に向かっている手前の建物を目指して歩く。

 やはりまだ戦闘が行われているようで、激しい戦闘音が外からでも聞こえるな。


 圧倒的な強さを持った人物が王国騎士団にはいないからか総力戦を行っているようで、建物のあちらこちらから音が聞こえる。

 そしてこの建物も例に漏れず、一番強い生命反応は上の階層から感じ取れ、アレクサンドラらしき生命反応もその付近から感じ取れた。


「上の階層でブルーデンスぐらいの生命反応を持った奴と、アレクサンドラの生命反応があるな」

「他からも戦闘音が聞こえるし、戦闘の真っ最中って感じね」

「俺とラルフ、ヘスターが優秀すぎただけで、普通は建物一つの制圧には時間がかかるし仕方がない」

「優秀の中に私も入れなさいよ! それよりも動きはどうするの? 雑魚を蹴散らすのか、アレクサンドラの助っ人に回るのか」

「もちろん一直線でアレクサンドラのサポートに向かう。正直、他の王国騎士は死のうがどうでもいいしな」

「……とんでもない発言ね」


 実際そうだし仕方がない。

 方向性を定めたところで、他の場所から聞こえる戦闘音は無視して一直線で上の階層へと向かったのだった。


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