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第30話 これからの動き


「なぁ、今勢いで異論はないって言ったけどよ。俺とヘスターはまだルーキー冒険者だぜ? 大丈夫なのか?」

「最終的に超えればいいんだから大丈夫だ。それに、最初は誰だってルーキーだろ」

「そうだよ。それにクリスさんがいれば、ルーキーからはすぐに脱却できます」

「いや。期待されているところ悪いが、俺はお前らのクエストの手伝いをする気はないぞ」

「……え?」

「何度も言っているが、俺にはやらなければならないことが山ほどあるんだ。二人は引き続き、ゴブリン狩りを続けてルーキーからの脱却を目指してくれ」


 今日の戦いぶりを見て分かったが、今の二人をルーキーから引き上げたところで、ブロンズランクのクエストをこなせるとは到底思えない。


 俺が今現在、ブロンズランクのクエストをこなせない状況であれば、二人を引き上げて手伝わせるという方法もあるのだろうが……。

 俺は問題なく依頼をこなせているし、ラルフの足の怪我を考えると手伝わせた方が余計に時間を食うのが目に見えているからな。


「それじゃ、パーティを組んだ意味がないじゃねぇか!」

「意味なくはないだろ。まずはお前の怪我を治すか、ヘスターが魔法を習得してからじゃないと話にならない。俺もそのための手伝いは全力で行うつもりだ」

「それまでは各々活動するってことですか?」

「俺はそう考えてる。ただ、とりあえず明日は、ラルフと一緒にレアルザッドにある治療院と治療師ギルドに行って診てもらうつもりでいる。本当に治らない怪我なのかどうかを調べるためにもな」

「俺、治療師ギルドで診てもらう金なんて持ってないぞ?」

「その分は俺が出す。だから、文句を言わずに二人も稼げるだけの金は稼いでくれ」


 そんな俺の言葉に、うるうるとした目で見てくるラルフ。

 怒鳴ったり感激したり、本当に忙しい奴だな。


「クリス……。俺のためにありがとな」

「さっきも言った通り、俺のためでもあるから気にしなくていい。気持ち悪いからいちいち泣くな」

「気持ち悪いってなんだよ。感謝してるだけだろ!」


 涙が引っ込み、怒鳴るラルフを俺は鼻で笑う。


「あの……明日、私はどうしたらいいですか?」

「流石に一人でゴブリン狩りは厳しいよな。――ああ、そうだ。『はぐれ牛鳥』っていう魔物について調べてくれないか? 出没する場所、見た目の特徴、何が弱点かまで調べてくれたらありがたい。情報次第で金はキッチリ払う」

「分かりました。明日は『はぐれ牛鳥』について調べてきます。あと、お金はいりません。ラルフの検査代を払ってもらいますし!」

「いや、金銭面に関してもこれまでと変えるつもりはないから払わせてもらう。三人で受け持った仕事はキッチリ三等分。宿屋や食費もキッチリ割り勘。まぁ俺に関しては、たまに奢ったりするだろうけどな」


 金銭面に関しては申し訳ないが、こうしないと俺が能力判別をする金を捻出できなくなる。

 金で揉めるのも馬鹿らしいし、今の内にこうしてキッチリと決めておいた方がいいのも事実。


「分かりました。それではありがたく頂きます」

「ああ。ヘスター、よろしく頼む」

「なぁ、俺は明日どうしたらいいんだ?」

「朝から治療師ギルドに向かうつもりだから、準備だけしておいてくれ。朝一じゃ開いていないから“朝”だぞ」

「念押さなくても分かってる。それじゃ準備だけしておけばいいんだな」


 明日の予定を話したところでパーティ結成の宴会はお開きとなり、各々眠りへとついた。

 ちゃんとしたパーティとして始動するのは、恐らくシルバーランクに上がってからだと思うが、密かにワクワクしている自分がいる。


 俺もこの二人が弱点を補っても実力で追い抜かれないよう、有毒植物に関しての研究を行っていき、明後日はまたペイシャの森に籠りたいと考えている。

 自分の中で今後の方針を色々と考えながら、俺も深い眠りへとついたのだった。


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