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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
1章 『始まりの地、レアルザッド』

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第27話 約束


 いつもの露店で串焼きを三人分買ってから、俺は宿屋へと戻ってきた。

 部屋に入るなり目に飛び込んできたのは、ヘスターとラルフの二人が正座でこちらを向いている姿。 


「お前ら、なにしてるんだ?」

「ヘスターにやれ――っいで! 何すんだよ!」

「ラルフは黙ってて! クリスさん、私たちゴブリンを余裕で狩れるようになりました。ですので、パーティを組んでください!」


 最初は常にヘトヘトだった二人が、最近は余裕を持って過ごしているし、何やら作戦会議なんかも毎日行っていたから、そろそろなんじゃないかと思っていたが、やはり来たか。

 タイミングとしては、俺も一段落着いているところだし、悪くはないんだが……。

 俺が想定していたよりも、かなり早かったな。


「……そうか。まぁ約束だしな。分かった」

「本当ですか! ありがとうございます」

「ただ、パーティを組む前に確認させてもらいたい。明日、ゴブリンを狩るところに同行させてもらうぞ」

「もちろんです。これからよろしくお願いします。 ……ほら、ラルフも!」

「…………おねがいします」


 今の俺も結局はブロンズランク止まりだし、お願いまでされるような図抜けた実力を持っている訳ではないと思うのだが、ヘスターがなんでここまで必死なのか少し疑問だな。

 ゴブリンを楽に狩れるようになれば、パーティの件はやっぱいいってなるんじゃないかと思っていたが……。


 こればかりは俺がいくら考えても分からないな。

 明日の結果次第ではあるが、この二人を冒険者の道に引きずり込んだのは俺だし、二人の潜在能力を考えれば俺としてもパーティを組むのは、まぁ悪い話ではない。


「とりあえず串焼きを買ってきたから食え」

「おおっ! 串焼きは嬉しいぜ」

「いつもありがとうございます」


 二人に串焼きを渡してから、俺は気を取り直して作業に取り掛かる。

 今日食べた有毒植物の欄に、潜在能力を上昇させる効能なしと記入してから、混在しないように分けていく。


 これで次回からは、この十五種類の植物に関しては完全に無視することが出来る。

 金はかかるし地道な作業だが、強くなるための準備と考えれば一切の苦労も感じないな。


「なぁ、ずっと変な枯草いじってるけど、何やってるんだ?」

「パーティを組んでから教えてやる」

「変な薬の材料じゃないだろうな? 一つ食わせてくれよ」

「食ったら死ぬぞ」


 串焼きを食べて機嫌が良くなったラルフが、俺が床に広げていた有毒植物を手に取ろうとしたのを制止させる。

 どれくらいの毒なのかも、はたまた本当に毒があるのかも分からないが、常人が食べたら死ぬ可能性は大いにあり得るからな。


「……死ぬってなんだよ。クリス、お前この部屋に何を持ち込んでるんだよ」

「俺も詳しいことは分からん。ただ、食わなきゃ大丈夫だ」

「お前、この草を売ってるから金に余裕あるのか? これ、暗殺に使う草だろ」

「本当に馬鹿だな。誰が一介の下っ端冒険者から暗殺の道具を買うんだよ。そもそも暗殺なんて頻繁に行われることじゃないだろ」

「じゃあそれは何なんだよ」

「俺が食べるやつだよ。【毒無効】持ちだって言っただろ」

「【毒無効】のスキルを持ってるからといって、わざわざ毒のある枯草を食う必要ないだろ。……その草、美味しいのか?」

「いや、眩暈がするくらい不味い」


 そんな俺の言葉に、ラルフの目は変な奴を見る目に変わったが、俺は無視して作業を再開する。

 パーティを組んだら、俺のやっていることを全て理解させるし、今はどう思われようがどうでもいい。


 しばらくしてから始まった、ヘスターとラルフの明日の作戦会議を聞きながら、俺は夜遅くまで作業を続けたのだった。


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― 新着の感想 ―
[気になる点] ヘスターは男か女か分かりづらい。男ならヘスター。女ならせめてヘスターナにしたら分かり易いと思います。へに拘るならヘレンなら、いやでも女と解ります。
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