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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
5章

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第272話 スキルの実の恩恵


 最後の一口をなんとか水で流し込み、ようやくスキルの実を完食することができた。

 口の中が麻痺するぐらいの苦味を感じているのはもちろんのこと、【痛覚遮断】のお陰で痛みは感じていないが口の中全体に刺っぽさを感じている。


 【痛覚遮断】を解除したらどうなるか想像もつかないため、疲労感が体を襲ってはいるが発動させたまま教会へと向かった。

 これだけの思いをしてスキルの実ではなかったということだけは絶対に避けたいところだが、こればかりは俺の力ではどうにもできないこと。

 期待と不安の感情が俺の中で入り乱れつつ、能力判別の部屋へと向かった。


「待っていたよ。本当にすぐ来るんだから毎度のことながら驚かされるねぇ」

「よろしく頼む。金貨と冒険者カードだ」


 奥の部屋には戻らず、能力判定の部屋で待っていた婆さんシスターに出迎えられ、俺は金貨と冒険者カードを手渡した。


「確かに受け取りました。それでは能力判別を行うよ――はい、終わった。能力を確認してみてくだされ」


 会話のやり取りも最低限で、能力判別があっという間に終わった。

 婆さんから冒険者カードを受け取り、いよいよ東エリア奥地の洞窟から採取した実の正体が分かる。


 ……ふぅー。

 大きく深く深呼吸を行ってから、俺は意を決して冒険者カードを確認した。



―――――――――――――――


【クリス】

適正職業:農民

体力  :28 (+477)

筋力  :25 (+551)

耐久力 :24 (+349)

魔法力 :7 (+191)

敏捷性 :15 (+283)


【特殊スキル】

『毒無効』『自滅撃』


【通常スキル】

『繁殖能力上昇』『外皮強化』『肉体向上』『要塞』

『戦いの舞』『聴覚強化』『耐寒耐性』『威圧』『鼓舞』

『強撃』『熱操作』『痛覚遮断』『剛腕』『生命感知』『知覚強化』

『疾風』『知覚範囲強化』『隠密』『狂戦士化』『鉄壁』『変色』

『精神攻撃耐性』『粘糸操作』『魔力感知』『消音歩行』

『自己再生』『身体能力向上』『能力解放』『脳力解放』

『脚力強化』『深紅の瞳』『野生の勘』『士気向上』『毒液』

『音波探知』

―――――――――――――――



「――よしッ!」


 拳を強く握り絞め、能力判別の部屋の中で思わず声に出して喜んでしまった。

 慌ててすぐに部屋を退出し、教会の外へと出てから再び能力の確認を行う。


 上昇した基礎能力値はなし、通常スキルも増えていないが……特殊スキルの欄に輝いて見える新たに追加された【自滅撃】の文字。

 名前的には危険が孕んでいてその上あまり強そうには思えないが、通常スキルではなく特殊スキルというだけで期待値が違う。


 何よりも採取した実が、ちゃんとスキルの実だったということの喜びが大きい。

 後は、採取した残りの三つの実が同じ効能なのかどうかだな。


 違った効能であれば嬉しいが、同じ茎から生えていた実だし同じ効能である可能性は高い。

 ――いや何重にも絡まっていたし、別々の茎から生えていた可能性もあるのか。


 どちらにせよ、持ってきた二つの実を食べてから能力判別すれば全てが分かる。

 【痛覚遮断】のせいで体力がジリジリと削られているが、この勢いのままスキルの実の完食を目指すとしようか。



 教会裏の人目のつかない場所で座り込んでから、約一時間ぐらいが経過。

 強烈な苦味と吐き気と戦いながらも、ようやく俺は二つのスキルの実を完食できた。


 疲労、吐き気、苦味による麻痺、酷い頭痛、強烈な便意。

 更なる刺により口の中も更に酷いことになっている感じがし、過去一番のバッドコンディションとも言える状態だが……能力判別を行いスキルの実の効能を確認するまでは倒れるわけにはいかない。


 フラフラな足取りでなんとか教会内へと入り、脇目も振らずに能力判別部屋へと目指した。

 時間を空けすぎたからか、婆さんシスターの姿はないためベルを鳴らし、やってくるのを静かに待つ。


「待たせたね――って、大丈夫かい!? さっきも具合悪そうだったけど、顔が真っ青に青ざめているよ」

「大丈夫だ。能力判別を頼む」


 金貨一枚と冒険者カードを渡し、俺は意識を飛ばないことだけに集中させる。


「変な薬に手を出しているのではないのですかな? 様子もおかしいですし、これだけの頻繁な能力判別。違法増強薬とか……」

「手を出していない。さっさと頼む」

「……教会は何の責任も負いませんよ。――終わりました。確認してみてくだされ」


 短期間での急激な体調変化を怪しみ出した婆さんシスターを急かし、俺は冒険者カードを受け取ってすぐさま教会を後にした。

 理由については体調が良くなってから説明しに来るとして、今は少しでも早く『ゴラッシュ』へと帰ることを優先する。


 スキルの実の副反応なのか、それとも体の限界が迎えているのか……。

 椅子から立ち上がってから、ぐるんぐるんと視界が揺れるような眩暈もし出し、冒険者カードの確認も行えない状態。

 スキルの実の効能がどうだったのかは後回しにし、とにかく『ゴラッシュ』に戻ることだけを考えて俺は倒れそうになる体を必死で持ちこたえ歩き続けたのだった。





五章終了時のステータス(最後の能力判別時)


―――――――――――――――


【クリス】

適正職業:農民

体力  :28 (+477)

筋力  :25 (+551)

耐久力 :24 (+349)

魔法力 :7 (+191)

敏捷性 :15 (+283)


【特殊スキル】

『毒無効』『自滅撃』『硬質化』『黒霧』


【通常スキル】

『繁殖能力上昇』『外皮強化』『肉体向上』『要塞』

『戦いの舞』『聴覚強化』『耐寒耐性』『威圧』『鼓舞』

『強撃』『熱操作』『痛覚遮断』『剛腕』『生命感知』『知覚強化』

『疾風』『知覚範囲強化』『隠密』『狂戦士化』『鉄壁』『変色』

『精神攻撃耐性』『粘糸操作』『魔力感知』『消音歩行』

『自己再生』『身体能力向上』『能力解放』『脳力解放』

『脚力強化』『深紅の瞳』『野生の勘』『士気向上』『毒液』

『音波探知』

―――――――――――――――



ご愛読ありがとうございました。

第272話 スキルの実の恩恵 にて、第五章が終了しました。

よろしければブクマ、下の☆☆☆☆☆による評価を頂けましたら、次章以降の執筆の励みになりますので是非お願い致します <(_ _)>ペコ


第六章は1/13(金)から再開予定です!

完結までペース良く投稿していく予定ですので、次章もお読み頂ければ幸いです!

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