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【完結】追放された名家の長男 ~馬鹿にされたハズレスキルで最強へと昇り詰める~  作者: 岡本剛也
5章

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第236話 ミエルへのお願い



「予想以上に良好な関係を築けそうで良かったわ。裏もなく、本当に弟を殺そうと思っているなんて……あなたに少しだけ興味も湧いてきた」

「それはありがたい限りだが、約束通り俺達は不干渉でいこう。やり取りは基本的にミエルを通すか、そっちはゴーティエ。俺はヘスターかラルフを介してやり取りを行う」

「随分と用心深く思えてしまうけど、まぁ分かったわ。本格的な協力関係は王都に戻ってからで、私と貴方は基本的に不干渉。それでいいわね?」

「それで構わない。よろしく頼む」

「………………なんか凄いことに巻き込まれた気がする」


 ミエルがぼそりと漏らした独り言は無視し、俺とシャーロットは軽く握手を交わして場はお開きとなった。

 シャーロットと結んだ協力関係については、王都に行った際のクラウスについての情報提供、邪魔が入らずに戦える場の提供。

 

 それから資金面での援助も提案してくれたが、俺がシャーロットに提供することはほとんどないことから、資金については断らせてもらった。

 実際に依頼で必要以上に金は稼げているし、ミスリルランクに昇格すれば更に金を稼ぐことは容易になるはず。


 そして俺からシャーロットに提供する唯一のことが、俺とシャーロットとのこの関係を口外しないということ。

 どこからかでもバレた瞬間に関係は解消。逆に王女が俺達を殺しにかかるという話になっている。


 正直な話バレた際のデメリットもほとんどないし、一方的に協力してもらっていると思うほど俺達に有利すぎる関係だが、シャーロットからすればクラウスが消えてくれるのを望んでいるため願ってもない提案らしい。

 実際にシャーロット自身がクラウスを消す案も出ていたほどらしく、そこにノーリスクでクラウスを倒せるだけの力を持つ俺が現れたことで、この話に乗らない手はないと言っていた。


 とりあえず【戦姫】の王女とは、上手いこと協力関係を結ぶことができた。

 第一印象は最悪だし、連れのゴーティエとは一生仲良くできそうにないが、大きすぎる協力関係。

 シャーロットとのことは王都に行ってから考えるとして……。


「おい、ミエル。お前は少し残ってくれ」


 この場を去って行った王女から、少し間を置いてから路地裏を後にしようとしたミエルを俺は呼び止める。

 何か嫌な予感がしたのか、振り返ったミエルの顔は酷く歪み切っていた。


「……もう話は済んだでしょ? 心配しないでも、ちゃんと馬鹿王女との仲介役はやるわよ」

「いや、もう王女のことはいい。本格的に協力関係を結ぶのは、王都に行ってからだからな。今ミエルを呼び止めたのは別のお願いがあってだ」

「また私にお願い? 協力するとは言ったけど、なんでもかんでもやれる訳じゃないのからね。またすぐにダンジョン攻略に連れ出されるだろうし、私も体を休めておきたいのよ」


 その言葉の端々から、お願いなんてするなという強い意思を感じる。

 ミエルの現在の境遇を考えると、一瞬遠慮してしまいそうになるが俺も俺で引く訳にはいかない。


「単刀直入に言うが、ロザの大森林の探索を手伝ってほしい」

「全く話を聞いていないわね。ったく、どれだけ面の皮が厚いの?」

「ロザの大森林の探索を手伝ってほしい」

「聞こえてなくて返事しなかったんじゃないわよ! ……ロザの大森林ってここの南にある大きな森よね? なんでそんなところの探索なんてするのよ」

「とある植物を探している。そのためにはロザの大森林の全てを探索したい」

「なら、勝手に探索してくればいいじゃない。私よりあんたのが強いんだし、私なんかいてもいなくても変わらないでしょ」

「確かに俺の方が強いが……求めてるのは単純な強さじゃない。ロザの大森林には水で覆われている場所がいくつかあって、その水で覆われている場所を凍らせて探索したいんだよ」


 俺の伝えた言葉を一度呑みこみ、頭で考えてからようやく理解できたらしく、かなりの間を空けてからミエルは言葉を発した。


「…………できないこともないけど、どれくらいの規模なのよ」

「水没林や泉といったかなりの広範囲。ヘスターともう一匹が補助につく」

「氷魔法を使えるのが三人ね。……なら、広範囲でもいけるかもしれない。ヘスターはどれぐらい魔法を使えるの?」

「氷属性は中級魔法までです。ミエルさんは上級を扱えるんですか?」

「もちろん。舐め腐られてるけど、私はこれでも【賢者】だから。……というか、貴方は複合魔法の中級魔法を使えるのね。そこら辺の学園生徒よりよっぽど優秀じゃない」

「そうなんですか? 同年代の知り合いはいないですし、基準というのが全く分からなくて……」

「ええ、よっぽど優秀よ。貴方の適正職業はなんだったの?」

「ちょっと待て。二人の個人的な話はあとでやってくれ。ミエル、ヘスターのサポートがあればいけるのか?」


 二人の話が脱線し、盛り上がりかけたところでストップをかける。

 個人的に気にはなる話だが、まずは本題の話を詰めるのが先決。


「中級魔法なら、あともう一人はほしいってところね。私と中級魔法を扱える三人がいれば確実にいけるはず。……というか、私はまだ許可を出していな――」

「分かった。もう一人だな。二週間後に『マジックケイヴ』に来てくれ」

「ちょっと! 勝手に話を進めな――」


 ミエルの反論を聞く前に、俺はミエルを置いて路地裏を後にする。

 一方的にああいっておけば、来さざるおえないだろう。


 シャーロットがミエルの探索を許可するかどうかの心配もあるが、クラウスをぶっ倒すためと理解してくれれば許可も出すはず。

 今日のこの話し合いで色々と一気に進んだな。


 とりあえずの標準は二週間後。

 あと一週間依頼をこなしたあとは、ヘスターとラルフ、それからスノーを連れてロザの大森林へと赴いて下調べに向かう。


 俺のスキルの実探しに全員の時間を使ってもらうことになるが、ここは受け入れてもらうしかない。

 残る課題といえば……氷属性の中級魔法を使える人を後一人探すことだな。

 もう一度、駄目元でゴーレムの爺さんに当たってみるとするか。


お読み頂きありがとうございます!

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― 新着の感想 ―
クラウスに関する根本的な原因もクリスにある気がするんだが やったらやり返す理論だけど、先にやらかしてるの大体クリスだし…
ぶっきらぼうだったり、強引に話を進めていく主人公ですが、無理してるというか自然でない感じがして気になりました。 小説を書くのって大変ですね。
[一言] 正直な話、スピード重視で読んでいるためクリスがクラウスに対して強烈な殺意を抱いてる理由がいまいちわからなかったのでここで整理できると思ってたんだけど交渉割愛で残念。 殺されかけたから殺し返す…
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