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第232話 攻略の案


 表情を明るくさせてから顔を上げたラルフは、拳をポンッと一つ叩いてから早速意見を出してくれた。

 九割は期待できないが、一割は俺が考えていない突拍子もないことを提案してくれるから、今回も少しだけ期待してラルフの意見を聞く。


「水中の攻略なら、ヘスターを連れていけばいいんじゃないか? 水属性の魔法でなんとかなるだろ!」

「単純に二人に助力してもらうことは俺も考えたが、水中の探索は水属性魔法でもどうにもならないだろ?」

「私が会得している魔法には、水中を移動できるといった類の魔法はありませんね。そもそも水属性魔法といっても、水を使った攻撃という魔法ばかりですし。……もしかしたらフィリップさんなら、何かいい魔法を知っているかもしれませんけど」


 ゴーレムの爺さんか。

 賭けには勝ったため知っているのであれば、無償で教えてくれるだろうがどうだろうか。

 俺もヘスターと同じく、そんな魔法は存在しえないと思うけどな。


「一応、ゴーレムの爺さんに聞いてみるとするか。もし存在するなら、手っ取り早く対処できるしな」

「……今のラルフの意見を聞いて思いついたのですが、氷属性で足場を固めてしまうのはどうでしょうか? 水属性では聞いたことありませんでしたが、氷属性なら水を凍らせることも可能ですよね?」

「確かに……。凍らせることができるなら水中の魔物に怯える必要もなく、徒歩での攻略も可能となるのか。ただ、そんなこと理論上可能なのか?」


 問題は可能かどうかだ。

 ヘスターの【アイシクルアロー】を見たことがあるが、到底泉の水や水没林の泥水を凍らせる威力はなかった。

 

 一人で無理となれば、ヘスター以外の人の助力も必要となる。

 スノーも氷属性の攻撃を使えると言えば使えるし、ヘスターとスノーが力を合わせれば可能なのか?

 

「私一人では無理ですね。ただ、複数人集まればできる可能性はあると思います」

「複数人か……。氷属性の魔法を使える人を複数人は厳しい条件だな。スノーも氷属性攻撃を使えるが、頭打ちに入れることができるのか?」

「スノーがどこまでの氷属性攻撃を使えるか分からないですが、入れても大丈夫だと思いますよ。私とスノー、それからもう三人ほどいればなんとかできると思いますが……」

「三人って厳しくねぇか? 冒険者ギルドで依頼として出せば、いけるかもしれないけどよぉ。依頼費用がとんでもなくかかりそうだぜ?」


 ラルフの言う通りで、ロザの大森林の東と西の攻略で氷魔法が扱える人に限定するとなると、依頼費用はとんでもないことになる。

 ロザの大森林はただでさえ忌避されているし、氷魔法が扱える人という限定がなくとも集まりづらい依頼内容。


「フィリップさんに相談するのがいいかもしれませんね。もしかしたら、弟子の方から募集をしてくれるかもしれませんし」

「『マジックケイヴ』で魔法を習っている人で、氷魔法を扱えるヘスターの知り合いっているのか?」

「……私の知り合いでは二人だけですね」

「二人だけ? やっぱり複合魔法は使える人自体少ないのか。その二人が了承してくれたとしても厳しいよな」

「それも二人の内の一人はフィリップさんですので、充てにはできないと思います」


 となってくると、ヘスターの知り合いからは無理か。

 氷属性でロザの大森林の探索にもついて来れられる人物。


 諦めて冒険者ギルドに依頼して気長に待つか……駄目元でミエルに協力要請してみるか?

 【アンチマジック】で消し飛ばしたため実際に確認はしていないが、氷魔法を使おうとしていたのを俺は知っている。

 詠唱や魔法名から察すると、氷属性の上級魔法だったであろうから期待できるはずだ。


「次に会う機会があった時、ミエルにも俺から声を掛けてみるとする。理論上可能ならかなり現実味のある案ではあるが、すぐに実行って訳にはいかなそうだな」

「魔法でなんとかなると思ったが、流石にそう甘くはないってことか!」

「クリスさんのスキルでもどうにかならなかったんですよね? 魔法以外となると、スキルでの攻略が一番に思い浮かびますけど」

「今の手持ちのスキルでは無理だったな。水中を生息域とする魔物から、スキルを貰うことができればあるいはって感じだが」

「うーん……。今のところは魔法かスキルのどちらかって感じでしょうか。魔法を扱える人を探しつつ、スキルの方にも着手するって感じでどうですかね? 私達も全力で協力致しますので!」

「賛成! 俺も他にいい案が思い浮かべば提案させてもらうけど、今はその二つを同時進行で進めればいいだろ! オンガニールっつう植物は見つけてるんだもんな?」

「ああ。オンガニールに関しては、一本だけだが見つけてある」

「それじゃ決まりだな! 依頼は水を得意とする魔物か氷属性攻撃を使える魔物を中心に狩って、狩った魔物はロザの大森林に運ぼうぜ! 依頼効率は落ちるだろうが、一石二鳥だし長い目で考えればいいはずだぜ?」

「二人には迷惑かけるが、ラルフの案でこれから動かせてもらう。協力よろしく頼む」

「はい。任せてください」

「おう! 任せてくれ!」


 とりあえず二人の協力を得られることができ、明日からは水中の攻略を考えつつ動くことに決まった。

 二兎を追いつつ、いい案を考えていく。

 エデストル滞在中も、ロザの大森林のことで色々と忙しくなりそうだな。



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