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第186話 処理


 推奨討伐ランクがミスリルのオークキングも、かなりの余裕を持ってソロで倒せた。

 スキルも上手く使いこなせたと思うし、エデストルに来てから一番実りある戦闘だったかもしれない。


 【能力解放】の反動で、若干だが体の疲労を感じつつも……この感じからすると、【要塞】や【鉄壁】【自己再生】といった防御スキルを発動させながらなら、体への負担を激減させることもできそうだ。

 課題としてはやはり体力で、スキルの解除を細かにしていたつもりだけど体力をかなり消耗している。


 350近い体力を誇っていたはずだが、これでも全然足らないのだから……アルヤジさんから、スキルの発動と解除の指導を習えて本当に良かった。

 今後の最重要強化能力は体力として、ひとまずはオークキング率いるオークの群れを無事に倒せたことを喜ぼう。


 俺の指示に的確に従い、少し離れた位置で待機しているスノーに駆け寄り頭を撫でる。

 オークジェネラルを仕留めてもらうためずっと待機させてしまっていたが、完璧な仕事をこなしてくれた。


「よくやったぞ、スノー。次は強敵を譲ってやるからな」

「アウッ!」


 嬉しそうに体を擦り付けてくるスノーとしばらくたわむれた後、オークの死体の処理を行う。

 俺よりも体の大きい十八体の死体を埋めるのは大変なため、燃やしたいと思うのだが……。


 【熱操作】では小さな火しかまだ出すことができない。

 出力を上げれば、ヘスターの初期の【ファイアボール】くらいまでは出せるかもしれないが、俺の体が持たずに重度の火傷を負ってしまうはず。


 得られたのが【耐寒耐性】じゃなく、【耐熱耐性】だったら気にせずぶっ放せたのだが、こればかりは文句を言っても仕方がない。

 大変だがスキルを駆使し、大きな穴でも掘るしかないか。


 ヘスターの師匠でもあるゴーレムの爺さんに、そろそろ魔法を本気で教わりにいってもいいかもしれない。

 魔力だけなら、エッグマッシュのお陰でかなり伸びている。


 100を超える魔力を持っていても、魔導書の記載だけでは魔法のまの字も分からないから、魔法を扱うには生まれ持っての才が大きいのだと思うが……。

 せめて殺した魔物を燃やせるぐらいの火魔法か、埋めるための土魔法ぐらいは習得したいところ。

 そんなことを真剣に考えながら、俺はスノーに見守られつつ懸命に大きな穴を掘った。



「……ふぅー。やっと終わった」


 正直、戦闘よりも穴を掘ってる方が大変だった。

 しっかりと死体を全て埋め、ここからオークの巣を改良して拠点作りを行っていく予定なのだが……。

 その前にスノーにやってもらいたいことがある。


「スノー。オークキングを凍らせることができるか?」


 オークキングの死体だけ、穴には埋めずに取っておいてある。

 オンガニールを見つけた時のために取っておきたいのだが、このまま放置していたら腐敗したり、虫やら獣やらに食い散らかされる可能性が高い。

 スノーの氷結属性攻撃で凍らすことができるのかは分からないが、可能であればやってもらいたいと思ったのだ。

 

 身振り手振りで説明すると、俺の言いたいことが分かったのか牙に氷を纏わせたスノー。

 そのままオークキングに噛みついてしばらく動かずにいると、徐々に噛んだ箇所からオークキングが凍り付き始めた。


「スノー。お前、凍らせることもできるのか」

 

 それから一分もしない内に、オークキングの死体は氷塊となった。

 この状態ならば、数日は持つかもしれないな。


「……本当に凄いな。いつの間にこんなことができるようになったんだ?」

「アウッ!」


 吠えながら駆け回っているスノーを感心しながら見つつ、オークキングの死体を端へと寄せた。

 スノーも仕事をしてくれたし、さっさと拠点作りを始めようか。

 

 穴掘りのせいで既に日が落ちかけているため、急いで拠点作りを始めることにした。

 柵はとりあえず後回しにし、火の確保とオークの家の換気と修繕。

 

 しばらく経ってからじゃないと臭いのせいで家が使えないため、簡易的な藁の家を作っていく。

 仮宿としては十分な家を作ったところで……今日は飯を食って明日に備えようか。


 不十分ではあるが簡易的な拠点は作ることができたため、明日からは本格的に有毒植物採取へと移っていく。

 拠点場所探しの道中で軽く見ただけでも、俺が見たことのない怪しい植物が色々と生えていた。

 新たな強化が図れるかもしれない――強化についてを色々と考えていると、血が滾り興奮してくるのだが、俺は無理やり興奮を抑えて眠りへとついたのだった。


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