36. ☆「Reunion with Fate」
百戦、いや“万戦”錬磨か。とにかくそれほどの達人で、しかも敵もたったひとりだってのに。
「きゃああああああッッ!?」
にも拘わらず、なぜか接近を許し首を噛みつかれてしまったパフィ。何にせよ助けなければ!
とは思うが血の噴き出す様子を前にして足が動かない。彼女ともあろう者がまさか……と考えると余計に。
「……!! (#`皿´)三\\」
すかさずステラが割って入り、敵の首へと鋭い手刀を仕掛ける。しかし――
「……!? ∑∑(;;゜Д ゜)」
幾度となく耳にした金属音や風斬音じゃなく“トスッ”と何とも頼りなげだ。
攻防一体の“肉体硬化術”はタイマンじゃ無敵なのに、彼女の放った突きは素手のままだった。
――でも待てよ、女だてらに大剣を振るうパフィの力技は確か、電気の魔法での“筋力増強”によるものだ。
なのに突然武器を落とした、ってことは。まさか今の状況はふたりとも――“魔法を使えない”ってことか?
「……!! _∥(゜皿 ゜;)ノ」
だが彼女が元々武術の達人に変わりはない。即座ローキックで敵の脚をへし折り、ひとまず窮地を脱する。
「おいお前ら、雑魚相手に何を遊んでいる!?」
「……!! (-д-; 三 ;-д-)!!」
「違うの! どうしてか急に魔力が抜けて――」
やっぱりか。急にここまでの“弱体化”にも納得だ。けど一体全体なんで、突然そんなことになったんだ??
「うふふふっ。充分に“まわってきた”ようね?」
「短時間で力を湯水みてえに使えばさぞ身体も“あったまっ”からなあ。そうすりゃどうなるか」
不意に二色の声が響き、同時に闇の中から女がひとり躍り出、しなやかな脚技をパフィへくり出してくる。
「遅い弱い、ぬるいわねッ!」
彼女も徒手空拳で応戦するが、剣も魔法も使えない状況では御しきれず、みぞおちへ強烈な一撃を受けて、
「ぐはあ!! っっ――!!」
壁と天井を何往復もするほど激しく叩きつけられ――そのまま洞窟の深い闇の中へ消えて行ってしまった。
「……!? Σ( ゜Д゜) !!」
「よそ見してんじゃねーぞ!」
激突の衝撃で舞う砂埃、いや灰色の濃霧。その中から今度は身の丈2m近い巨漢が姿を現す。
「うおらああああああっ!!」
そしてその雄叫びがステラに迫る。常人だったら首を折られちまうだろう圧のラリアットだ。
だが全身凶器の彼女に接近など愚の骨頂、チェーンソーに指一本で挑むようなもの。そう――“本来なら”。
「……!! ( ´゜Д゜)・;’.、」
だが彼女もまた喉元へまともに喰らい、マーライオンのような吐血とともに一直線吹き飛ばされてしまう。
ばっ、ばかな。この最強チート4姉妹のうちふたりがこんな一瞬で、やられちまうだなんて。
「ハハハッ!! いかな超人でも力さえ封じちまえばこんな程度さ。魔法に頼り過ぎなんだよ」
「秀でた長所をかき消し、優れた能力を覆い隠すは【闇】。苦労して覚えた甲斐があったわぁ」
そしてこの襲撃者たちを俺は知っている。因縁の相手とまさか、こんな場所で再会するとは。
「しばらくだなルーシー。“300万にひとりの才能”の【氷】を使えるようになったんだって?」
「迎えに来たわよ。今度は待遇良くしたげるから、また皆で愉しみましょ♡」
ベリィ……!! リリス!!




