プロローグ
気が付くと自分はそこに立っていた。
どう見てもあーしは大空のド真ん中にいるんだけど、確かに自分の足は立っていた。
目の前には、仰々しい椅子に座ったおじいちゃん。なんかもう、雰囲気で分かった。
「あーし、もしかして死んだ?」
「残念ながらな」
マジかー。まぁ、うっすらと死ぬ直前の記憶があるからそうかなーとは思ったけど。
「赤羽茜。若くしてその生涯を終えた哀れな人の子よ。私は汝らの世界でいう、神と呼ばれる存在の一柱。この死後の世界を収め、迷える魂を導く者」
目の前のおじいちゃん 神様は、全てを包み込んでくれるような笑顔で、あーしに語りかけてきた。
あーしがこんなに落ち着いていられるのも、この神様のおかげなんだろうな。
「汝は、自撮り中の所に、飲酒運転の車が突っ込んできたようだな。犯人はもうお縄についたようだが」
「そっか。ならもう別にいーや」
腹は立つけど、終わった事気にしてもしゃーないし。
「ほっほ。その前向きな姿勢は好感が持てる。そこでじゃ娘よ、不幸な死を遂げた汝にひとつ提案がある。『異世界転生』というのに興味はないか?」
「えっ マジでそんなんあるんだ!」
アニメとかでよくやってるなー程度にしか知らないけど、本当に出来るとなると、ちょっと興味がわいてくる。
「あぁ。汝が望むもの何でも一つ、それと共に異世界へ送ってあげよう」
「えーっと、じゃあさ、一つ質問いい?」
「何でも聞くと良い」
柔和な笑みを向けてくれる神様。
「その異世界って、綺麗?」
個人的に一番重要なポイント。ここの評価が低いなら転生自体興味が無くなってしまうと思う。
「もちろん。汝が想像する以上の世界を約束しよう」
なら、あーしの欲しいものは一つだけ。
「じゃああーし、その世界でもインスタがしたい!」
神様は一瞬目を見開いた後、懲りないなとでも言いたげな表情で苦笑した。
「赤羽茜。汝の新たな人生に幸あれ」
神様がこっちに向けて手をかざすと、自分の足元から光の柱が立ち上り、目の前が真っ白になった。




